お知らせNEWS

TOPICS

&Talk 特集 地域と共にあるということ

地域には図書館や公民館など、学校以外の学びの場があります。しかし、その土地の教育の基盤となるのはやはり学校です。子どもたちや学生にとって学校は学びの場であると同時に、居場所でもあります。
地域にとって学校があるということはどういうことなのか。
学校の存在意義を地域、社会教育という側面から考えてみたいと思います。

ボランティア活動、産官学連携、公開講座など学校と地域は様々な形で関わっています。その関わりは、在校生、在学生にとっては学びの場であり、地域の方々にとっては知的欲求や成長を促す機会となります。地域連携にはこのように教育的な視点があるため、学校内の教育と異なる社会教育という側面を持ちます。教育の一環として地域連携を考えると、学校の意義や在り方、地域連携の新しい形が見えてくるかもしれません。また、今年度スタートした第2期聖学院ビジョンでも、聖学院が提供する価値として「地域への貢献」を明示しています。生涯教育が専門で、聖学院大学学長でもある小池茂子理事長、社会教育が専門で、聖学院大学の地域連携・教育センター所長である政治経済学科の若原幸範先生、そして地域の課題解決のために産官学等様々な組織をつなぐ活動をしている株式会社地域デザインラボさいたま(以下ラボたま)の青木大介代表取締役社長に集まっていただき、社会教育とは何か、生涯学習の意味、地域と学校のつながりについてお聞きしました。

地域社会と学校、それぞれの教育

ーー社会教育とは具体的にどういうものですか?

若原 日本の公教育は二本柱で作られていまして、一つは学校教育、もう一つは社会教育です。学校外で行われてる教育は基本的に全て社会教育になります。公民館、図書館、博物館などが代表的な社会教育施設です。まちづくりなど、地域の人たちの持っている関心やテーマ、課題に応えていくために、学びをキーワードに人をつなげていき、地域の力を高めていく仕事をするのが社会教育です。
また、地域社会の本質的な機能に人を育てる機能があります。子育てはもちろん大人も含めて。ただ近代以降は「学校」という機関ができ、子どもの教育については学校が専門的に担う事になりました。それを再び、地域の中で学校と共に子どもを育て、学校が地域の教育拠点の一つとして機能するようにしようという流れが、国や行政も含めてあります。
小池 社会教育は、学校教育のように制度的にそれを強いられる教育ではありません。ですから、やってもやらなくても自由で、そこが社会教育の良さです。ただ個人の自発的な行為である「学習」という言葉に対して「教育」には目的があります。社会教育は「教育」なので、そこには目指す教育目標があり、教育の機会提供や支援を行う側はそれを目指して働きかけを行っているのです。


つぎへ→