建学の精神・理念mission

学校法人聖学院のスクールモットー

聖学院の歴史の中で形成されてきたこのスクール・モットーは、イエス・キリストの教えられた根源的な戒め「主なるあなたの神を愛せよ」と「あなたの隣り人を愛せよ」から汲み出されています。

聖学院大学の2つの標語

「ピエタス エト スキエンティア」というラテン語は、「敬虔と科学」あるいは「信仰と学問」とも訳せます。真の敬虔は、科学を否定せず、むしろそれを完成に向けて駆り立てます。本来の学問は敬虔と結びつくことにより、高次の学となり、社会のなかで真に意味ある営みとなるのです。この標語は本学の建学の精神を表しています。

これはイエス・キリストが語られた言葉として新約聖書に記されており、世界の主な図書館に掲げられている言葉です。現代人は今さら自由について学ぼうとはしないかもしれません。しかしキリストは、真理を離れた自由が罪の奴隷状態に過ぎないことを教えています。本学はこの言葉を標語として掲げ、真理を学ぶことを通して自由の本当の意味を教え育てていくことを目指しています。※上記の2つの標語は、聖学院大学図書館の壁面に掲げられています。

聖学院教育憲章 2002年11月14日制定 聖学院教育会議

聖学院は間もなく創立百周年を迎えます。アメリカのミッショナリたちによる献身的奉仕を継承し、第二次大戦中は迫害をも耐え抜いて「神を仰ぎ 人に仕う」精神を貫き、今日では幼稚園から大学・大学院、そしてアメリカに聖学院アトランタ国際学校をもつまでに至りました。 1945年の敗戦を機に「日本国憲法」と「教育基本法」が制定公布され、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」(憲法97条)の恩恵を日本国民も享受するに至りました。聖学院は、この二つの根本規範が奇しくもキリスト教を基盤とする学院本来の教育目標と合致することを見いだし、その理想を実現することをもって学院の教育的使命としてきました。それは、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」という国民的願望を教育によって達成するためです。 21世紀に入り、国の内外を問わず多くの深刻な問題が発生する中で、教育の重要性はますます広く深く認識されてきました。この時わが国と人類の将来にかかわる教育の方向を誤ってはなりません。聖学院は過去百年の間守り続けてきた教育の基本精神を明らかにし、同時に現代の諸問題と取り組んで、いかによき未来を開拓すべきかを、過去三ヵ年に及ぶ聖学院教育会議で検討してまいりました。いまここにその成果をまとめ、聖学院教育憲章として宣言いたします。

聖学院教育の根本目的

聖学院は、日本国憲法(1946年制定)と教育基本法(1947年制定)に示された理想の実現を図り、将来の日本および国際社会に貢献する人間を育成することを教育の根本目的とします。

聖学院教育の理念

聖学院は、一人ひとりが神からかけがえのない賜物を与えられているという確信に基づき、それぞれの固有な賜物を発見することを助け、個人の人格の完成へ導く教育をします。聖学院教育はナンバーワン教育ではなく、オンリーワン教育であり、そしてそれはオンリーワン・フォー・アザーズ(他者のために生きる個人)の教育です。

聖学院教職員の自己革新

聖学院教職員は、「仕えられるためではなく、仕えるためにきた」と言われたキリストの模範にしたがい、人々に最も良く仕える者こそが社会を導いていくとの確信のもとに、サーヴァント・リーダーシップをもって責任を果たすため自己革新に努めます以上ここに宣言いたします。

2002年11月14日制定 聖学院教育会議

聖学院大学の理念

第1条

本大学は、プロテスタント・キリスト教の精神に基づき、自由と敬虔の学風によって、真理を探究し、霊的次元の成熟を柱とした全体的な人間形成に努め、人類世界の進展に寄与せんとする者の学術研究と教育の文化共同体である。

第2条

本大学は、プロテスタント・キリスト教の伝統に即してなされる礼拝を生命的な源泉とする。礼拝においては、聖書と宗教改革者が証する福音が語られ、そこから大学共同体にとっての生命である研究と教育のための自由と責任、および伝道への活力、さらに本大学の伝統を継承し新たに創造する喜びと熱意とが与えられる。

第3条

プロテスタント・キリスト教は特に近代世界の成立と展開に独特な貢献を果たしてきたが、それゆえまた、現代社会において固有な責任を負っている。本大学は真剣な学術研究と生きた教育、霊的強化とを通して、このプロテスタント・キリスト教の現代文化に対する責任という世界史的課題を大学形成において遂行し希望ある世界の形成に寄与せんとする。

第4条

本大学は、日本におけるプロテスタント・キリスト教の伝統及びその信仰的、文化的、教育的貢献に連なるとともに、その労苦と苦心の経験に虚心に学び、その信仰、文化、教育活動の新しい進展のために努力し、日本社会に対し新たな指標を打ち立てようとする。そのため、福音的プロテスタント諸教会の協力を仰ぐとともに、とりわけ、かつての聖学院神学校が合流している東京神学大学との協力関係を密にする。また、広く内外のプロテスタント諸大学と相互協力の関係も樹立する。

第5条

本大学は、「現代文化の諸問題とキリスト教の課題」等の問題を研究する機会を提供し、開かれた大学として、プロテスタント・キリスト教の精神をもって国際化した時代と激動する社会、および地域の問題にも積極的に取組み、創造的な活動をすることによって、そのキリスト教的、文化的特色を発揮することを期する。

第6条

本大学は、学校法人聖学院の設立による諸学校との精神的、財政的な一体性の中にある。また教育的にそれぞれ独自の位置と課題を尊重しつつ、それらとの密接な関連、協力関係を持ち、聖学院全体の一貫教育の高等教育段階を担う。

第7条

以上の理想のために、本大学に働くすべての教職員は、互いの人格を尊重し、各自の持ち場においてそれぞれにふさわしい責任を自発的かつ積極的に遂行するとともに、キリスト教的な愛と謙遜と熱意とをもって互いに協力し合うことが期待される。

第8条

教授は、福音的自由と真理への畏敬の念を持って、学問的探求に鋭意努力し、その研究と教育を通して、時代の課題に積極的に応えつつ、新しい世代の知的、実践的、霊的次元での育成に努め、本大学の精神、学問、伝統の確立と継承、および新たな創造に努めることが期待される。

第9条

学生は、知的、実践的のみならず霊的次元において成熟し、かつ専門の学問の研鑽とその応用力の修得に努め、現代社会の課題に取組み、明日の社会を担い得る教養と良識とを身につけ、豊かで個性的な人格形成に努めることが期待される。

第10条

本大学は、以上の理念に基づくことによって、いかなる種類の組織体やイデオロギーの支配も介入も許さず、また私的並びに集団的な暴力による破壊や妨害を許さない。