神の憐れみとクリスマス

2018/12/20   先生のことば

 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

                                ルカによる福音書2章20節

 2018回目の、神の御子、救い主イエス・キリストの降誕、おめでとうございます!主イエスは、すべての人の罪を赦し、永遠の命を得させるために十字架に架って死なれ、三日目に死者の中から復活されるために、この地上に遣わされて来ました。人間の深い罪も、このお方の尊い命によって赦され、魂が癒され復活の希望に向かって歩み出すことができるようになりました。現在、世界中の諸教会で24億の神の民がクリスマスの準備をしています。
 救い主イエス・キリストのお生まれは、天使たちによって、世界で最初にベツレヘムの羊飼いたちと羊の群れに知らされました。世を罪から贖う救い主の誕生ですから、それは当然世の支配者たちに、例えば、王や貴族たちに知らせがあってしかるべきはずでした。しかし、世界で最初のクリスマスの出来事の知らせは、貧しい羊飼いたちと羊の群れに伝えられたのでした。ここには、天におられる父なる神の愛の目線が感じられます。神の御子、主イエスを天から遣わされたお方、父なる神は、社会で弱い立場や小さく目立たない存在であるものたちを大切にされたのでした。
 当時のユダヤの社会では、羊飼いの働きは、身分の低い、家族も持てない、野宿も強いられる、貧しい仕事でした。父なる神は、この羊飼いたちに天使を遣わし、旧約聖書が預言していた救い主の誕生を告げさせたのでした。後に成長された主イエスも、よくご自身のことを「わたしは良い羊飼いである」と言われました。主イエスは、ご自身と教会の関係を羊飼いと羊の群れにたとえておられました。その影響で、現在でも教会の伝道者を牧師と呼んでいます。旧約聖書に登場する有名な人物たちも、実は、羊飼い出身でした。イスラエルの民をエジプトの奴隷の身分から解放して律法を与えたモーセは羊飼いでした。又、古代イスラエル王国で最も人気のある王様、ダビデも羊飼い出身でした。モーセもダビデも、神の民イスラエルに大きな御業を成すために羊飼いから召し出され用いられました。
 父なる神は、羊飼いたちだけでなく、羊の群れにも注目していました。特に、群れの中では小さな存在であった小羊たちに注目しておられました。当時、エルサレムの神殿では、民の罪を赦す儀式で小羊の命を献げていました。そして、ベツレヘムでは、犠牲の小羊たちが羊飼いによって飼われ、エルサレム神殿へと出荷されようとしていました。実は、十字架で命を献げられた主イエスは、後に、世の罪を取り除く神の犠牲の小羊と呼ばれたのでした。飼い葉桶に寝かされていた赤ちゃんイエス様は、世界の罪を贖うために献げられるお子であったと聖書では理解されています。飼い葉桶の周りには羊飼いと共に羊や小羊がいたことでしょう。神の愛の配慮はそのように小さな存在の上にこそある、というクリスマスのメッセージが示されます。主イエスも弱い存在である者を憐れまれるお方に成長されました。このお方、主イエスからクリスマスの恵みと祝福をいただいて、私たちも小さな存在である児童生徒らに仕え、教育の御業を成していきたいと強く願っています。
 主イエスと出会った羊飼いたちは喜びで満たされて、神をあがめ賛美しながら帰って行った、と書いてあります。これは、羊飼いたちが神礼拝をしながら帰宅したということです。現代では、世界中の諸教会で、主イエスのお生まれに感謝してクリスマス礼拝が献げられています。聖書は、私たち人間は神によって礼拝者として創造されている、と教えています。人間は、礼拝の中で主イエスと出会い、神賛美を献げる時に本来のあり方を取り戻すことができます。羊飼いたちの神賛美は教会の礼拝への招きなのです。

聖学院幼小チャプレン 中村 謙一

(学校だより けやき 第487号2018年12月13日発行)

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