女子聖学院短期大学ASF情報
【ASF NEWS №61】共に歩む人_渡辺 正人 先生-女子聖学院短期大学-
- PROFILE
1991年女子聖学院短期大学国文科奉職開始。その後短大の改組転換に伴い聖学院大学日本文化学科へ移籍。2003年には、大学チャペル建設に伴い遺跡の調査を担当する。その後、2023年3月退職。現在は同大学名誉教授。
半世紀の時を経て女子聖学院短期大学の悲願が実現しました
ーー女子聖学院短期大学(以下短大)の様子を教えてください。
私は91年の4月に短大に着任しました。短大には女子聖学院中高からの進学者も多く、女子聖中高譲りの活気が短大のキャンパスにも溢れていました。授業においても、質問より提案する学生が多かったと記憶しています。短大の敷地には学生寮があり、私の着任時にはもう入居者はいませんでしたが、かつては学生寮にも活気があったそうです。大学の恒例行事のクリスマスのページェントはこの学生寮から始まり、短大、大学へと広まっていきました。
ーーチャペル建設とパイプオルガン設置は短大の悲願とうかがっています。
2004年に大学チャペルが完成し、今年パイプオルガンが設置されます。これらは短大が起点となっています。創設当時、キャンパスの周りには何もありませんでした。田んぼと川しかなかったと聞いています。礼拝も校舎の中の講堂で行っていました。キリスト教教育の学校というと蔦のからまるチャペルというイメージがあると思います。学生もそういうイメージを抱いており、チャペルのある素敵なキャンパスに通いたいという思いがありました。その思いが原動力となり短大設立2年目、寮生を中心にパイプオルガンが入ったチャペル建設のための募金活動が始まりました。その後、短大や大学において何度も建設が計画されましたが、諸事情によりなかなか進みませんでした。卒業式はチャペルでできると聞いていたのに実現しなかった学生もいます。その悲願が今年ようやく実ります。パイプオルガン設置募金には、多くの短大卒業生や関係者からご支援をいただきました。パイプオルガン設置には思いだけではなく短大が大きく関わっています。
ーー卒業生に向けてのメッセージをお願いします。
聖書の言葉で「一粒の麦、地に落ちて、もし死なずば」という言葉があります。卒業生の思いが今立派に実りました。全ての発端は皆さんです。とても感謝しています。
(取材日/2023年4月)
■注釈
※女子聖学院短期大学(現在は学生募集を終了しています)
1967年4月設立。1999年3月聖学院大学に改組。 ●英文科/国文科/児童教育学科
女子聖学院短期大学はプロテスタント・キリスト教の伝統にのっとり、堅実にかつ活発に教育、研究活動に進んできました。卒業生は11,500人を超えています。
出典:女子聖学院短期大学 | 聖学院大学 (seigakuin.jp)(出典より一部変更)
■コラム
発起人会発足の宣言
(聖学院大学パイプオルガンニュース①※)
私たちは、昨年11月23日には、女子聖学院短期大学以来の本学院の悲願でありましたチャペルを献堂することができましたことを、神に感謝します。(中略)一致協力のもと、全力を挙げてパイプオルガン設置事業に取り組むこととし、この志の輪である「パイプオルガン設置推進発起人会」にひとりでも多くの人々が加わって下さるよう、それぞれ関係者に呼びかけていくこととします。
※2005年7月23日発行
学生寮には福田ソノ子先生という寮監がいました。時には厳しかったそうですが、「短大のお母さん」という卒業生も多く、慕われていた様子がうかがえます。8号館の裏には卒業生が植えた福田ソノ子先生の記念樹があります。