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パイプオルガン設置に向けて_聖学院の音楽教育/聖学院大学 FOCUS

パイプオルガン設置に向けて

創立120周年の音が、
チャペル全体から鳴り響く

パイプオルガンは、一本一本が笛になっているパイプを束ねた楽器です。パイプに空気を送り込むことで音を出します。「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。」(創2:7)という言葉があります。空気を吹き込んで音を出すという点がとても聖書的で、教会で導入されている理由の一つにもなっています。

聖学院大学のチャペルは、建築家で東京大学名誉教授の香山壽夫先生が設計し日本芸術院賞やBCS賞(建築業協会賞)を受賞した建築物で、大学のシンボル的な存在です。聖学院創立120周年にあたる2023年、このチャペルにパイプオルガンが設置されます。今回設置されるパイプオルガンは幅約8・5m高さ約7m。チャペルの正面2階部分を覆う大きさです。

パイプオルガンの設置に関してはチャペル建設当初から予定されており、竣工の翌年である2005年にパイプオルガン設置委員会が発足しました。導入まで18年の歳月をかけたのは、やはりパイプオルガンを設置するということが壮大なプロジェクトであることを物語っています。そもそもパイプオルガンとはどういうものかについて研究することから始まり、どういうパイプオルガンを製作したら良いのかプロのオルガニストに指導を求めることもありました。その中でもひときわ時間と労力を割いたのがビルダーと呼ばれる製作会社の選定です。パイプオルガンは設置して終わりではなくメンテナンスも必要です。ビルダー選びはパイプオルガンの一生に関わります。設置委員会の菊地順先生は「当初考えていたドイツのビルダーが諸般の事情で断念せざるを得ず、選定からやり直したこともあります」とビルダー選択時のエピソードを教えてくれました。

大学のチャペルは、地域の教会の礼拝堂でもあります。パイプオルガンが導入されることでより豊かな礼拝を守ることが期待されています。同設置委員会の神吉乃三巳さんは「定期的にコンサートなどを開き、学生や地域の方々にパイプオルガンを擁する“場”としてのこのチャペルの魅力や音楽文化も発信しつつ、共に育んでいければ」と語ります。テクノロジーが進化した現在において、パイプオルガンの演奏は機械で精密に録音し、忠実に再現することも可能です。しかし、機械を通じた音とパイプに空気を通して鳴らす音は違います。同設置委員会の山田康弘先生は「パイプオルガンは会堂と一つになった楽器。チャペル全体から音が鳴り響きます。このチャペルでしか聴けない響きを全身で味わってほしいです」と生でパイプオルガンを聴くことの意味を語ります。チャペル全体で鳴り響く音とはどのようなものなのか、来年の完成が待ち遠しい限りです。

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