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FOCUS_美術とキリスト教 聖学院中高

作品作りを通しての自己確認

聖学院中高の美術は1学期に1作品仕上げるペースでじっくり時間をかけて創作活動に浸ります。作品作りを生徒たちが自己確認する時間にしたいと聖学院中高、美術科主任の伊藤隆之先生(写真)は言います。
「自分にとって絵を描くことは、礼拝と同じようにルーティンでもあり、自分の時間を捧げる大切な時間でもあります。キリスト教は多くの芸術に影響を与えていますが、自己を確認するという文脈においても宗教とアートとの親和性は高いと思います。
また、自分が自分であることを認識するには、常に身のまわりの存在とのコミュニケーションが不可欠です。そう考えると自己の表現である作品は、自己と他者をつなぐためのメディアであると言えます。小学校までの「図工」では、本人が楽しく創作できることが何よりですが、中学校からの「美術」に他者のことを考える視点、つまり客観性が必要となるのは、作品を通して何かを伝えるメディアの役割が加わるからです。」

また、美術には「見えないところを見ていく力」を育む力があると言います。ものづくりのプロセスにおいて、絵の具や彫刻刀などを使って、イメージを具現化していきます。その試行錯誤の繰り返しによって、想像力や、仮説を立てたり推測したりする力、すなわち思考力が培われていきます。
絵画材料の研究を専門とする伊藤先生に影響を与えた、「ヴィーナスの誕生」で有名なボッティチェリというテンペラ画の画家がいます。テンペラ画で使われるテンペラ絵の具は卵などの乳化作用を固着剤として利用します。油絵の具の技術の発展によって15世紀くらいから主流が変わっていくのですが、このようにテンペラにフォーカスしただけでも、美術は化学や歴史、哲学や宗教学などとつながり、学びはどんどん深まっていきます。


タイ研修旅行でTシャツ作り

 渡航前に現地の子どもたちが描いた絵を送ってもらい、日本で生徒たちがデザインをして版にしました。それをタイの村に持っていき、子どもたちと一緒にシルクスクリーンで印刷してTシャツを作りました。