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子どもと環境_聖学院の探究学習【理科】/聖学院大学FOCUS

子どもと環境

子どもの発達を子どもの感覚と目線で学ぶ

小学校の教科のように、保育や幼児教育も「健康/人間関係/環境/言葉/表現」という5つの領域に分かれています。この中にある「環境」への導入的な授業が「子どもと環境」です。子どもは自分と世界(環境)をどのように認識していくのでしょうか。例えば、子どもが小石を水に落とした時、“ちゃぽん”と音がします。この音によって子どもは自分の行動と音の関係に気づきます。石の大きさが変わると音も変わり、因果関係のような科学的概念の基盤が徐々に形成されます。このように、子どもは教えられるのではなく何気ない生活や遊びから概念や思考を獲得していきます。子どもがどのように環境と関わっていくのかを知り、子どもにとって身近な環境とはどのようなものがあるのかを様々な視点から考察していく授業です。

「子どもと環境」では、幼少期の感覚を思い出したり、子どもの目線で考えることを重視し、毎回、自分が面白いと思ったものや子どもが面白いと思うものを見つけて調べる課題が出されます。学生は次回の授業で、調べてきたことをプレゼンテーションします。この課題について担当の佐藤先生は「何もないところから子どもについて考えるのは難しいことです。子どもの感覚と目線になって調べると、それを基盤にして考えることができます。また学生によって経験差があるので他の学生の発表を聞いて共通の基盤を作ることもできます」と言います。授業ではその回ごとのテーマが、子どもにとってどのような学びにつながっているのかという理論も説明します。幼少期の感覚を理論で補うことで子どもの発達に関するより深い理解が得られます。

「子どもが興味を持ったものはなんであれ、分類や集合、因果関係などの科学的概念につながります。保育や幼児教育というと、学生は教えなければと思い込んでしまいがちなのですが、教えるのではなく子どもの興味を広げられる人になってほしいです」と佐藤先生。教えなければ、という思い込みが強いのは一般家庭においても同じかもしれません。また時間に追われて子どもが興味を持ったものを見守れない家庭も多いのではないでしょうか。「子どもと環境」には、保育者だけではなく子どもに関わる全ての人に知ってほしい大切な学びがありました。

カブトムシの飼育

保育者は子どもの命を預かる重要な仕事です。「子どもと環境」では、学生に命について学んでもらうため、保育所や幼稚園で飼われていることが多いカブトムシの飼育を体験してもらいます。受講期間中に、卵から幼虫、さなぎ、成虫、産卵まで観察でき、生き物の命を身近に経験します。