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〔卒業生を尋ねて〕歩む人たち_池田 香菜さん(聖学院小学校 卒業生)

●池田 香菜(いけだ かな)(旧姓 小島) : 聖学院小学校第41回卒業、女子聖学院中学校・高等学校第64回卒業生。東京農工大学農学部環境自然科学科卒業後、琉球大学大学院理工学研究科にて修士取得。現在、鹿児島県与論島でNPO法人海の再生ネットワークよろんに所属しサンゴ礁を中心とした環境保全活動を行う。

旅行に行くだけではなく、その地域に何か返したい
その思いがサンゴ礁の保全活動につながりました

東京から与論島に移住して3年。池田香菜さんは、「NPO法人海の再生ネットワークよろん」でサンゴ礁の保全活動に取り組んでいます。海洋生物の25%が生息すると言われるサンゴ礁が今、衰退しています。その原因の60%が埋め立てや陸域由来の水質悪化等、人為的な影響によるものです。池田さんはサンゴ礁を取り巻く環境の保全と啓発活動を行うことが大切だと言います。

池田さんは大学生の時、インターンシップで与論島を訪れ、サンゴ礁減少の問題に出会います。元々海で遊んだらゴミは持ち帰り、旅行に行ったらその土地に何か返したいと思っていた池田さん。与論島の課題に対しても何かしたいという思いを抱くようになります。環境問題は以前から興味があり、大学で海洋汚染を学んでいたことも加わり、東京で就職という既定路線から方向転換し、サンゴ礁の生態を研究するため琉球大学の大学院に進学。沖縄での生活を通して、観光客としては見えてこなかった課題や住人の視点があることを知りました。そしてこの頃には与論島への移住も決めていたそうです。
与論島での就職後は、サンゴがどれだけ生息しているか、陸域海域ともに水質が適切か等の調査で得たデータを地域と共有しています。また島の小中高生へ出向いて環境教育にも尽力しています。「自分たちが住む地域に誇りを持ってほしいです。自分たちの土地の課題は自分たちが解決するという意識を育てられたら嬉しいです」と島の子どもたちへの思いを語ります。

島の子どもたちはとても素直で、その分、高校生になると将来の進路選択が画一的になる傾向があるそうです。「もっとクリエイティブで自由な視点を持ってもらえたら」と話す池田さん。将来、池田さんの授業を受けた子どもの中から島の課題解決に携わる人が出てくるかもしれません。