理事長メッセージ

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清水正之Shimizu Msayuki

PROFILE

  • 1947年横浜市生まれ 東京大学文学部倫理学科卒業後、同大学院人文科学研究科倫理学専攻修士課程修了
  • 同博士課程単位取得退学。博士(人文科学)
  • 2008年聖学院大学人文学部教授に就任
  • 2015年聖学院大学学長に就任。2017年学校法人聖学院理事長に就任

MESSAGE

常に自分のやっていることを自覚し
反省しながら一歩一歩進む
 

昨年度は新型コロナウィルスの影響で社会に様々な変化が起きました。教育の現場も例外ではなく、昨年4月の緊急事態宣言下では子どもたちが学校に行けず、一部オンラインで授業が行われました。学校行事の多くも中止となりました。そのような中、中長期ビジョンにおいては、幸いなことに計画に大きな遅れはなく、むしろどこへ進むべきかよりはっきり見えてきた1年だったと思います。中間報告においてもそれは数字として見て取れますし、私自身の手応えとしてもしっかりと感じ取っています。

中長期ビジョン達成に向けて

中長期ビジョンの根幹である①教育 ②財政 ③施設・設備 ④人材組織 ⑤ICT ⑥広報の6つの経営アクションプランでいうと、まず教育においてオンライン授業の導入がとても大きな意味を持っていたと思います。単にテクノロジーの導入ということではなく、今までのやり方では成り立たないオンラインというものに直面することで、従来の教育がどうであったかということを省みる良い機会を得ました。これは一つの遺産だと思いますし、この遺産は対面授業にもフィードバックができます。また、大学の研究教育環境の達成度を明確に判断する指標が改めてできたと感じています。上記に限らず数多くの遺産を手にしました。 財政に関しては、入学者数が増えた点を大きく評価したいと思います。特に聖学院中高では従来より30名近く増え、聖学院大学においても定員を超えた600名近い新入生が入学しました。計画に沿って手をかけてきた結果が着実に実り始めています。施設・設備とICTはオンライン授業への対応のため当然前進しました。特にICTは元々計画にあったものの、どう教育に活用するかという課題がより具体的になりました。教職員間でのデジタルコミュニケーションツールの推進も図れました。人材・組織に関しては、昨年度、新任職員への研修体制強化や管理職への試験による昇進制度を導入したことで「育成」の観点がより明確になりました。広報においては、学院全体の広報センターが設置され、各校情報共有が進み、確実に前進していると評価しております。 各論としてはこのようになりますが、社会の変化によって、6つの経営アクションプランが連環しているとよく分かった1年だったと感じております。これにより、では具体的にどういうゴールが想定できるのか、そのイメージが強く持てました。このことが、冒頭でも述べました進むべき道の明確化にもつながります。

新たなプロジェクトの展開

今年度は、昨年度に得た遺産をさらに発展させるため、色々なプロジェクトや計画が発足しております。駒込キャンパスでは教育デザインプロジェクトをさらに押し進めた教育デザイン開発センターを、大学においては教育開発センター(現在は準備室)を作って、全学院を挙げて改めて教育に向き合う試みを始めました。 駒込キャンパスでは元々、聖学院小学校、聖学院中高、女子聖学院中高が個別に「英語教育」「SDGs」「ICT」を推進していました。3校が連携した方がより効率的で効果的になると始まった取り組みが教育デザインプロジェクトです。昨年は各校から意欲ある教員、若い教員が続々と参加し、非常に強い連帯感と達成感のもと、大きな成果を得られました。この成果を引き継ぐ形で今年度より始まったのが教育デザイン開発センターです。 大学の教育開発センターは、新しい教育手法の研究成果を蓄積し、広く教員間で共有するための機関です。大学では昨年度、社会の変化に対応するべく、教員によって様々な教育手法が模索されました。それを個人の研究として終わらせるのではなく、大学としていかに共有財産にするかが今年の課題です。その課題に取り組むのが教育開発センターです。 さらに今年度は大学の授業改革に着手します。大学の教育理念にどこまで叶っているのか、アドミッション、カリキュラム、ディプロマ、3つのポリシーとの整合性などを鑑み、カリキュラムを再編します。加えて個々の授業が何を目標にし、大学が示している学力のどこに到達するのかを客観的に示す努力をします。今起こっている社会の変化の中で、常に自分のやっていることを自覚し反省しながら一歩一歩進むということが、個人にも組織にも求められていると思います。私たちも自らを省みる作業を積極的にやっていかなければいけないと思っています。 昨年度に引き続き、地域貢献にも力を入れていきます。聖学院大学は今年5月に川島町をはじめ、埼玉県内8つの市町村と包括協定を結び、公務員の再研修を大学の授業として行います。
 

社会と人に貢献する人材を

聖学院は幼稚園から大学院まで、他者貢献の精神がとても強いと評価していただくことが少なからずあります。また教員、職員に恵まれたという在学生、保護者の意見もよく耳にします。私はそれを教職員の善意だと思っています。善意の行為、善意の態度、善意の人が聖学院の至る所に存在する。ただ存在するだけでは組織としての善意にはなりません。聖学院には善意に加え、それを結びつける何かがあります。それが建学の精神だと思います。このような土壌があるからこそ、この一年教職員が協働して、マイナスになってもおかしくなかったことをプラスに変えてきたのだと思います。教育デザイン開発センターも教育開発センターも中長期ビジョンも、この土壌の上に成り立っています。聖学院はこれからも「神を仰ぎ 人に仕う」の精神の下、社会に、人に貢献できる人材を育成してまいります。

卒業生の皆様におかれましては、各界でご活躍されていること、敬意を表します。また信念に基づいて、社会や人のためをなす人となることを心から祈っております。あわせまして、僭越ながら聖学院で受けた教育を思い起こし、ぜひ母校に少し関心を向けていただけたら幸いです。聖学院は今、しっかりした教育のもと、自らを省みつつ次のステージへ一歩一歩進んでおります。

(2021年6月)

 

 

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