SDGs
【受賞発表】 第6回聖学院SDGsコンテスト
受賞発表・入賞作品のご紹介
この度は「第6回聖学院SDGsコンテストPHOTO & MOVIE」にご応募をいただきありがとうございました。
審査の結果、入賞作品をご紹介します。
*受賞作品(PHOTO & MOVIE)はエコプロ – SDGsWeekEXPO2025 にて掲出いたします。
【会場】東京ビッグサイト
【アクセス】https://www.bigsight.jp/visitor/access/
【小間番号】E-41 E-42
【開催期間】2025年12月10日(水)〜12月12日(金)
最優秀賞 1名
【タイトル】『笑顔が咲く瞬間』
【受賞者のお名前】戸田 維介・勘介 さん(親子合作)
【該当するSDGs】10 人や国の不平等をなくそう
【作品概要】
私には、自閉症と知的障害をもつ長男と、逞しくも優しい次男がいます。会話はできない兄も、弟のことが大好きで、ふとした瞬間に見せる笑顔がすべてを物語っているように感じます。その姿に、私は胸があたたかくなります。
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受賞者コメントこのたびはこのような素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。
我が家の長男は自閉症と知的障害がありますが、弟との日々の関わりの中に、優しさや思いやりが自然にあふれています。
その姿を通して、「違い」は特別なことではなく、世界を豊かにする力だと感じます。
そして何より、兄弟それぞれの個性があるからこそ、私たち夫婦も日々多くを学び、心を豊かにしてもらっています。
この写真が、見る方の心にあたたかい気づきを届け、“誰一人取り残さない”というSDGsの想いを感じていただけたら嬉しいです。 -
審査員コメント
心温まる、いい写真です。
素敵な瞬間を捉えましたね、母の愛でしょうか。
作者のコメントが、よりこの写真への思いを高めます。
確かなピント、光、フレーミングなどもしっかり出来ています。
タイトルも良いです。
これからも、私たちに生きる素晴らしさを、届けてください。(審査員/石原 康男)
優秀賞 2名
【タイトル】『旧五輪教会堂からのメッセージ』
【受賞者のお名前】竹村 美智子さん(親子合作)
【該当するSDGs】14 海の豊かさを守ろう
【作品概要】
信仰を守り続けたキリシタン達の沢山の祈りが染み込んだ教会です。この窓から見える美しい海と豊かな自然をこれからも守っていきたいと感じました。海は私達に沢山の恵をもたらしてくれることに心から感謝をして「ゴミを捨てない。ゴミは拾う。」一人ひとりの小さな行動から、美しい海の未来を守っていかなければいけないと、強く思っています。
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受賞者コメント
わたしの写真を選んでくださり、本当に嬉しく思っています。
夏休みに行った五島列島で一番印象に残っているのが、旧五輪教会堂の窓から見えた美しい海と豊かな自然でした。
神さまがわたしたちに与えてくださった大きな恵みを、これから先もずっと守っていけるように、わたし1人のちからでは小さいけれど、今すぐにできることから始めて未来へつなげていきたい。
これからも「旧五輪教会からのメッセージ」を心に留めて、毎日を過ごしていきたいです。本当にありがとうございました。 -
審査員コメント
西洋美術の歴史では、かつて、絵画は世界にむかって開く窓ととらえられていました。人々は絵画作品という窓を通じて、世界をとらえようとしました。この作品では文字通り、伝統ある教会の装飾窓と、そのむこうに広がる景色が、室内の暗闇のなかにうかびあがり、その窓のむこうにはまばゆいばかりに輝く青い海の様子が見られます。この作品のテーマは海洋環境の保全ですが、結果として、われわれはこのような美しい海が存在する世界全体、かけがいのない地球という惑星そのものを、この「窓」としての写真作品をとおして目撃するのです。このような奥行きの深さは、この作品の絶妙な構図によって可能になっているのです。(審査員/江崎 聡子)
【タイトル】『SDGsなんて知らないが』
【受賞者のお名前】山田 香さん
【該当するSDGs】15 陸の豊かさも守ろう
【作品概要】
聖学院みどり幼稚園の「お庭で育つ会」に参加した時のことです。子どもは自然に溶け込み、自分の力でできることに全力で取り組む。その様子に、父が畑作業に励む姿と重なり「小さなおじさん」に見えてきました。彼らはSDGsを実践するぞなんて全く思っていないはず。持続可能な暮らしの原点なんだと思います。この1日が子どもの心の土台となること、そして素敵な園庭が多くの人の目に留まることを願い応募しました。
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受賞者コメントこのたびは素晴らしい賞をいただき、大変驚いておりますが、嬉しく思っております。ありがとうございます。
作品づくりを通して、子どもたちの日々の園生活が自然とSDGsに繋がっていることに改めて気づかされました。
園庭を丁寧に整え、多様な取り組みを支えてくださる先生方のおかげで、この動画を形にすることができたと思います。心より感謝いたします。 -
審査員コメント
この作品は、お母さんが幼稚園でのお子さんの活動の姿を丁寧に捉え、その日常の中にSDGsが息づいていることを伝える素敵なビデオでした。小さな男の子が大人びた言葉を話すキャプションが、より彼のかわいさを引き立てています。印象的だったのは、「誰一人取り残さない」「地球を守る」「分かち合う」といったSDGsの価値観が、日々の生活にそっと根づいている点です。タイトルの「SDGsなんて知らないが」の通り、知らないかもしれないけれど確実に学んでいる。静かだけれど強いメッセージを感じ、幼稚園で温かい取り組みが続いていることに感激しました。子どもの目線に合わせた構図やカットの切り替えが過度にならず、大変見やすかったです。(審査員/武本 花奈)
佳作 4名
【タイトル】『住処』
【受賞者のお名前】黒澤 諒さん
【該当するSDGs】15 陸の豊かさも守ろう
【作品概要】
地球で暮らしているのは人間だけではない。私たちは天地万物、様々な存在との関わりのなかで生きている。たとえ小さな虫であっても、人間にとって不都合に思える生き物であっても、皆この地球の仲間だ。人間の都合で迫害するのではなく、互いに尊重し、この星を共に住処としていくべきだ。
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受賞者コメント
この写真は、犬の散歩中、友人宅の横を通り過ぎた時分、たまたま蛇がいるのを見かけ、思わず撮った一枚です。そんな偶然の中で生まれた写真ですが、少しでも気に入っていただけたのなら、この上ない幸せです。これからも、今回の受賞を礎に日々の表現活動により励んでいけたらと思います。
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審査員コメント
インパクトのある写真ですね、ひきつけられます。
的確なピント、光、フレーミングがこの写真を生かしています。
このテーマは、今まさに、私たち人間になげかけられています。
全国で熊の出没が問題になっていますが、駆除すればよいのではなく森を奪ってしまった、人間の行動を反省し、共存できる地域を守っていきたいですね。
身近にいる、動物や虫を見て、このようなテーマについて考える作者に、感動します。
これからも、写真という表現で、私たちにテーマを投げかけてください。(審査員/石原 康男)
【タイトル】『手の中に見える未来』
【受賞者のお名前】山本 周さん
【該当するSDGs】11 住み続けられるまちづくりを
【作品概要】
掌に宿る小さなレンズの中に、未来の渋谷が姿を現しました。天空に伸びゆくクレーンとガラスの塔は、変わり続ける都市の鼓動を映し出します。人の営みと技術の歩みが交差するその瞬間をとらえ、「住み続けられるまち」と「持続する未来」への祈りを込めました。SDGsの理念に重ね、都市と人が共に響き合う可能性を写し出した作品です。
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受賞者コメント
第1回目の応募以来、しばらく間が空いてしまいましたが、今回再び応募することができ、そしてこのような形で評価いただき、大変うれしく思っております。また、今回はフォトメディア部の生徒・OBたちも多く応募してくれたのもよかったです。日常の中にある小さな気づきを大切にしながら、今後も写真や映像を通して“未来へのまなざし”を切り取っていきたいと思います。
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審査員コメント
持続可能な都市という、これまでのコンテストではあまり取り上げられてこなかったテーマを扱っており、注目されました。しかし、この作品の素晴らしいとろは、建設現場のクレーンを映し出すカメラの画像を写真に撮影するという、複雑なしかけが用いられれいるところでしょう。こういった「入れ子状」の構図を持つ作品は、専門用語では「自己言及的な作品」と言います。写真を撮りながら、写真という表現のメディアそのものを問う、つまり「写真とは何か」を問う、複雑な構成を用いた点を高く評価します。ただ、主題、つまり都市の持続可能性というメッセージは少し弱く、どちらかというと、表現の素晴らしさが評価されました。(審査員/江崎 聡子)
【タイトル】『せせらぎが遺した問い』(*連作)
【受賞者のお名前】永井 健太さん
【該当するSDGs】11 住み続けられるまちづくりを
【作品概要】
2021年の学び舎の日常。この噴水は、生徒たちの心を和ませる憩いの場であり、校内で飼うミツバチの命を繋ぐ貴重な水飲み場でした。人間と自然が共生するこの小さな生態系は、生物多様性の大切さを肌で感じる生きた教材です。これこそが守るべき「住み続けられる街づくりを(SDGs 11)」の姿だと信じています
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【受賞者コメント】
この度は、私の作品を佳作に選んでいただいたことに深く感謝申し上げます。
この噴水は、放課後に生徒が集い、時には学校のミツバチが水を飲みに来る、聖学院の象徴のような存在でした。私自身も学校説明会や受験の日にこの噴水に迎えられ、この場所に立つことへの期待を感じたのを覚えています。 今年はグランドの人工芝化で木々が失われ、老朽化によって噴水が姿を消し、“光と水の広場”から“水”が無くなっていく中、この変化を通して「建造物の役割・あるべき姿」を考えるようになり、「住み続けられるまちづくりを」に当てはめてこの作品を制作するに至りました。 そして過去の聖学院SDGsコンテストで多くの作品に触れる中で、私自身も「何が本当にSDGsなのか」を改めて考えさせられました。
これからも写真を通して、身近な変化に目を向けていきたいと想います。 -
【審査員コメント】
この作品は、2枚の写真から作者がこの場所に寄せる深い思いが確かに伝わってくる点が印象的でした。画面づくり、光の選び方、微細な空気感を写し取ろうとする姿勢から、写真を日頃から撮っていることがすぐに分かります。水路がふさがれてしまったことへの寂しさや喪失感が、静かな語り口で丁寧に表現されていて、写真うまいな!と素直に思います。一方で、SDGsの観点から見ると、「11 住み続けられるまちづくりを」よりも、「12 つくる責任、使う責任」にした方が、見る人を納得させる深みが増す気がしました。暮らしの安全性と環境への配慮をどう調和させるかという“問い”が、写真を通して鋭く提示されており、見る者に考えさせる優れた作品でした。(審査員/武本 花奈)
【タイトル】『すべての人に元気と幸せをとどけるために』(*連作)
【受賞者のお名前】倉橋 基 さん
【該当するSDGs】3 すべての人に健康と福祉を
【作品概要】
わたしの血はだれのもの?
当然、わたしのもの。
でも、わたし「だけ」のものじゃない。
みんなが幸せにくらすために、わたしができること。
それは、元気なわたしの血を、
多くの人のために、少しだけおささげすること。
わたしの元気は、お薬になって、
まるでジグソーパズルがつながるように、地球のうらがわまでとどく。
16才から始める小さな命のプレゼント、それが献血(けんけつ)。
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【受賞者コメント】
このたびは思ってもみなかったお知らせに大変おどろいています。
本当にありがとうございました。今年のフォトコンテストのテーマは「伝えよう!キミのSDGs」でした。
そこで、同じ地球に住む仲間が、元気にくらしていくために、
自分が続けている小さなことを写真にしてみました。はじめて献血(けんけつ)をしたのは、20才になった日の午後でした。
あの日から何十年もたちましたが、知らないだれかに元気をとどけるための、
小さな命のプレゼントは、今でもずっと続いています。今はまだ、人の血を人工的に作ることはできません。
また、血は生きものですから、長い間、とっておくこともできません。
わたしがただで受けた命の一部を、ただでだれかにささげること、
この小さな積み重ねが、未来を変えていくと信じています。 -
【審査員コメント】
メッセージが明快であり、また三分割された画面がストーリーのようになっており、主題と表現のバランスがうまくとれた作品です。上段のアングルの意外性(献血する腕を、献血している人の側から撮るのではなく、反対側からとる)や、動きのある構図は、下段の安定した静的な構図と対照的で、そのために、構図としてもうまくバランスがとれているように思いました。一人一人の小さなアクションが積み重なり、世界中の人々に命がリレーされていくというメッセ―ジが、下段の地球儀のモチーフを含めたことによって明確になっています。(審査員/江崎 聡子)
広報センター長賞 1名
【タイトル】『ストレイ・ドッグズ』
【受賞者のお名前】伊藤 豊さん
【該当するSDGs】11 住み続けられるまちづくりを
【作品概要】
カトマンズ中心街では至るところに犬の姿が見られます。寝ていたり歩いていたり、人に向かって吠えることはありません。一見穏やかそうです。しかし、犬たちには特定の飼い主がいません。元々の飼い主が飼いきれなくなって投げ出され、「地域犬」として生きています。宗教的な理由で殺処分されませんし、街の人も犬たちを邪険にしません。保護センターには70頭の犬たちが暮らしています。しかし、引き取ってくれる人は年間で4、5人ほどです。カトマンズの地域犬や保護犬は、幸せなのでしょうか?
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受賞者コメント聖学院中高の「ネパールMoG」は、ビジネスによる社会課題解決を体験する海外研修プログラムです。カトマンズ現地にて、私は増え続ける地域犬の課題に取り組むチームに同行しました。学びの主人公はもちろん生徒たちですが、引率者の私にも学びの多い体験学習になりました。
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審査員コメント
被写体としての犬の使い方が効果的で、雰囲気のある、空気感が伝わってくるとても良い作品だと思います。海外(カトマンズ)で撮影された写真とのことで、ここには街の日常が切り取られているようです。しかし、それは私たちの住む街の日常とは異なる風景であり、こうした日常が世界に存在することを気づかせてくれます。撮影者の視点の良さを感じるとともに、写真を見る人の視点をも広げてくれる作品であると感じました。こうした風景に心を留めて、フレームに切り取ることができる撮影者の優しさを感じられる写真です。視点の良さと被写体の使い方、空気感を評価して、広報センター長賞に選出いたしました。(審査員/伊藤 大輔)
最終選考作品 4点
『ゴミ拾い』
『気候変動を抑える必要性を学んだ小2の夏』
『地域と子どもをつなぐそうめん流し』
『野菜の恵みを食べつくそう』
審査員からの全体講評
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フォトグラファー 石原 康男
今年もたくさんご応募くださりありがとうございました。
本当に良い作品揃いで選ぶのが大変でした。
これはフォト&ムービー部門ですので、写真・映像の力というものを感じる作品が選ばれたと思います。
テーマやコメントだけじゃなく、とにかく一枚の写真、映像を見たときにぐっとくるようなものを選びました。
今回は本当にそういう意味でのクオリティがとても高く、楽しませていただきました。
これからも皆さんの思いを写真、映像という力を利用してアピールして伝えていってほしいなと思います。 -
聖学院大学 准教授 江崎 聡子
皆様、今年もSDGsコンテストに応募いただきありがとうございました。
今年も力作揃いでした。皆さん表現の技術が上達されていて、とても面白く興味深い作品が揃ったと思います。
私が選出に関して注意したことは、テーマが見えやすいかどうかというこです。表現の技術が高いものが揃ったのですが、その一方で少し主張が弱い作品もあり、残念ながら賞に漏れてしまった方もいらっしゃいました。入賞された方々は技術も高く、更にメッセージ性があり、それがとても明確に伝わってくる作品となっています。
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フォトグラファー(聖学院大学 卒業生) 武本 花奈
今年も沢山のご応募いただきありがとうございました。
私は毎年審査員を引き受けながら思ってきたものがありまして、それは「SDGsを感じながら写真を撮ってほしい」、「写真を撮りながらSDGsについて考えてみてほしい」ということでした。
それが今年は少しずつ実ってきたなという感じを受けています。受賞した作品はもちろんなんですが、それ以外にも本当にたくさん良い写真、動画がありました。そして大人や学校の問題について考えさせてくれる作品が多かったと思います。まだ受賞されていないテーマというのも結構あって、そういうものにも皆さんが着眼しながらSDGsについてもっともっと考えつつ写真や動画を楽しんでもらえるように、私たちも日々活動していけたらいいなと思っています。






