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2022年度 決算の概要

資金収支計算書関係

資金収支計算書は、企業が作成するキャッシュフロー計算書に類似したもので、当該会計年度の諸活動に対応するすべての収入及び支出の内容と支払資金の収入及び支出のてん末を明らかにするものです。

収入の部は、学生生徒等納付金収入、寄付金収入、補助金収入、付随事業・収益事業収入、借入金等収入、前受金収入などで収入の部合計が前年度比2.55%減の7,710百万円となり、前年度繰越支払資金を除いた当年度収入合計は前年度比0.16%増の7,020百万円となりました。ただし、学院の収入の根幹となる科目としては、学生生徒等納付金収入が前年度比4.17%減の3,796百万円、寄付金収入が前年度比8.14%減の361百万円、補助金収入が前年度比6.80%増の1,507百万円となりました。

支出の部は、人件費支出、教育研究経費支出、管理経費支出、借入金等返済支出、施設・設備関係支出などで当年度支出合計が前年度比2.37%減の7,050百万円となりました。

上記の結果、翌年度繰越支払資金は4.35%減の660百万円(前年度690百万円)となりました。

活動区分資金収支計算書

活動区分資金収支計算書の区分については教育活動による資金収支、施設設備等活動による資金収支、その他の活動(借入金収入、資産運用支出など)による資金収支の3区分となります。それぞれ区分ごとの資金の流れが明確になっています。

Ⅰ)教育活動による資金収支
  教育活動資金収入計 5,897百万円(前年度6,038百万円)△141百万円
  教育活動資金支出計 5,674百万円(前年度5,693百万円) △19百万円
  調整勘定等を加味した教育活動資金収支差額59百万円(前年度222百万円)
Ⅱ)施設整備等活動による資金収支
  施設設備等活動資金収入計 363百万円(前年度463百万円)△100百万円
  施設設備等活動資金支出計 462百万円(前年度591百万円)△129百万円
  調整勘定等を加味した施設設備等活動資金収支差額 △145百万円(前年度△183百万円)
Ⅲ)教育活動資金収支差額+施設整備等活動資金収支差額
  △86百万円(前年度39百万円)△125百万円
Ⅳ)その他の活動による資金収支
  その他の活動資金収入計 798百万円(前年度597百万円)+201百万円
  その他の活動資金支出計 743百万円(前年度848百万円)△105百万円
  調整勘定等を加味したその他の活動資金収支差額 55百万円(前年度△251百万円)
Ⅴ)支払資金の増減額
  △30百万円(前年度△212百万円)

事業活動収支計算書

事業活動収支計算書は経常的及び臨時的収支に区分して、各収支状況を把握できるようになっています。いわゆる企業会計の損益計算書に類似するものです。区分については経常的な教育活動収支、教育活動外収支(受取利息・配当金収入、借入金利息など)、臨時的な特別収支(施設・設備関係)の3区分と基本金関係から構成されています。また当年度の資金収支を伴わない現物寄付の受入れや減価償却費、引当金等も計上されます。

Ⅰ)教育活動収支
  教育活動収入計 5,859百万円(前年度5,904百万円)△45百万円
  教育活動支出計 6,154百万円(前年度6,032百万円)+122百万円
  教育活動収支差額 △294百万円(前年度△127百万円)△167百万円
  備考:教・管計)減価償却額 471百万円(前年度489百万円) △18百万円
          徴収不能額 11百万円(前年度16百万円)   △5百万円
Ⅱ)教育活動外収支
  教育活動外収支差額 △11百万円(前年度△127百万円)
  教育活動収支と教育活動外収支を合わせた経常収支差額は、△305百万円と悪化しました。

Ⅲ)特別収支
  特別収支差額 98百万円(前年度118百万円)

Ⅳ)翌年度繰越収支差額
  基本金組入前当年度収支差額 △207百万円(前年度△21百万円)△186百万円
  基本金組入額計         △286百万円(前年度△435百万円)
  当年度収支差額         △493百万円(前年度△456百万円)
  当年度収支差額に前年度繰越収支差額と基本金取崩額を加味した翌年度繰越収支差額は、△13,279百万円となりました。

貸借対照表

貸借対照表は、当該会計年度における資産及び負債、純資産の状況を表すもので、本法人の財政状況を明らかにするものです。

Ⅰ)資産の部
資産の部では、固定資産が前年度対比△354百万円の15,138百万円となった。その主な要因は、減価償却費の計上額よりも固定資産の取得が少なかったことによる。また、特定資産は、前年度対比91百万円減の3,128百万円となった。今年度の特定資産の主な変動は、運転資金の不足を補うため全聖学院特別引当特定資産100百万円、年度末退職金に対応するため退職給与引当特定資産50百万円、大学パイプオルガンに係る積立金30百万円、奨学充実引当特定資産3百万円をそれぞれ取り崩したこと、一方、男子中高の特別積立金として92百万円、を積み立て実質は△91百万円となった。流動資産は、前年度対比△97百万円の886百万円となり、その主な要因は、資金収支計算書に記載した現預金の減少による影響額△30百万円、未収入金の減少による影響額△73百万円等である。

Ⅱ)負債の部
負債の部では、固定負債が前年度対比△50百万円の2,159百万円となった。その主な要因は、過年度に施設設備資金として借り入れた長期借入金の計画的返済による減少分△60百万円、リース取引により発生した長期未払金の返済分△28百万円となり、退職給与引当金については38百万円の増加となった。流動負債は、前年度対比△194百万円の3,290百万円となり、その主な要因は、新入生数減による前受金△100百万円、その他には昨年度と比較して短期借入金減少△57百万円や未払金減少△138百万円となっている。なお、コロナウイルス感染症の影響も徐々に落ち着きを見せ、修学旅行等の行事が実施されることから生徒積立金や学年費といった預り金の支出が増加したが、今年度は大学周辺会計の一部預り金残高を受け入れた結果、預り金は101百万円の増加となった。

Ⅲ)純資産の部
純資産の部では、基本金が前年度対比285百万円増の28,854百万円となった。この内の大半は、施設・設備関係の第1号基本金である。繰越収支差額は、事業活動収支計算書と同一の△13,279百万円と支出超過となっている。当年度末の正味財産(資産の部合計―負債の部合計)は、10,575百万円となり前年度対比207百万円減となった。

各計算書の科目について

資金収支・活動区分資金収支・事業活動収支計算書に共通する主な科目

《学生生徒等納付金》
 授業料、施設費、入学金等で、収入のうち最も大きな割合を占めます。
《手数料》
 入学検定料、試験料、証明書発行手数料などです。
《寄付金》
 特別寄付金(ASF募金など)、一般寄付金、現物寄付金(事業活動収支のみ)
《補助金》
 国や地方公共団体などから交付される補助金です。
《付随事業・収益事業収入》
 給食などの補助活動や、外部から委託を受けて行う受託事業収入が計上されます。
《受取利息・配当金収入》
 第3号基本金引当特定資産運用収入など預貯金の受取利息が大きな割合を占めます。
《雑収入》
 退職金財団の交付金収入が大きな割合を占めます。また施設設備利用料収入はこの科目に含まれます。
《人件費》
 教員人件費、職員人件費、役員報酬、退職金が計上されます。退職金については、事業活動収支計算書上、東京都私学財団交付金(雑収入)と相殺処理を行っています。
《教育研究経費》
 教育・研究活動のために支出する経費です。
《管理経費》
 総務・人事・経理業務、学生募集など教育・研究活動以外に支出する経費です。

資金収支計算書だけにみられる主な科目

《資産売却収入》
 不動産などの固定資産の売却による収入です。
《借入金収入》
 長期、短期の借入金について計上されます。
《前受金収入》
 翌年度分の授業料、施設費などが当年度に納入された収入です。
《資金収入、資金支出調整勘定》
 資金の実際の収支を当年度の諸活動に対応する収支に修正する勘定で以下のものがあります。
 期末未収入金・・・当年度中に収受すべき収入のうち入金が翌年度以降になるもの。
 前期末前受金・・・当年度中に収受すべき収入のうち前年度までに入金済のもの。
 期末未払金・・・・当年度中に支払うべき支出のうち翌年度以降に支払うもの。
 前期末前払金・・・当年度中に支払うべき支出のうち前年度までに支払済のもの。
《施設関係支出》
 土地、建物、構築物、建設仮勘定などの支出をいいます。
《設備関係支出》
 教育研究用機器備品、管理用機器備品、図書、車両などの支出をいいます。

事業活動収支計算書だけにみられる主な科目

《事業活動支出》
人件費、教育研究経費、管理経費、借入金利息など資金収支計算書と同様の科目の他に、退職給与引当金繰入額、減価償却額、徴収不能引当金、徴収不能額等の非資金項目も計上します。
《特別収支》
資産売却差額・・・不動産などを売却しその売却収入が帳簿価格を超える場合に、その差額を計上します。
現物寄付・・・・・備品や図書などの現物で寄付されたものを計上します。
資産処分差額・・・建物、構築物、機器備品等を除却する場合、その処分時点の帳簿残高を計上します。
《事業活動支出》
 人件費、教育研究経費、管理経費、借入金利息など資金収支計算書と同様の科目の他に、退職給与引当金繰入額、減価償却額、徴収不能引当金、徴収不能額等の非資金項目も計上します。
《基本金組入額》
 学校が教育研究活動を維持・運営していく上で、基盤となる校地や校舎、機器備品、図書などの固定資産の他各種の基金などの保有額を示すもので、第1号から第4号までの種類があります。
 第1号基本金・・・校地・校舎・機器備品・図書などの固定資産の取得額。
 第2号基本金・・・将来必要な固定資産を取得するために計画的に組入れていく積立金。
 第3号基本金・・・寄付金等の資金でつくられたファンド。利息等で奨学事業等を行う。
 第4号基本金・・・学校が諸活動を円滑に遂行するため、恒常的に保持すべき資金。

貸借対照表にみられる主な科目

《固定資産》
 土地、建物などの有形固定資産、継続的に学校運営をおこなうための特定資産、保証金などのその他の固定資産から構成されています。
《流動資産》
 現金預金、未収入金、貯蔵品など。
《固定負債》
 施設設備のために借り入れた長期借入金、リース資産の長期未払金など。
《流動負債》
 1年以内に返済する長期借入分および運転資金の短期借入金、未払金、前受金、預り金。
《基本金》
 第1号基本金、第3号基本金、第4号基本金。

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