「なんだろう」… 想像の力

2018/07/02   先生のことば

 5月29日(火)に聖学院小学校では「鑑賞教室」がありました。今年は「デフ・パペットシアター・ひとみ」という劇団の『はこ じいちゃんのオルゴール』というものです。鑑賞教室は昨年も一昨年もあったので、今年もとても楽しみにしていました。しかも今回は人形劇ということですから期待も高まります。
 劇団のちらしにはこう書いてありました。

 デフ・パペットシアター・ひとみの紹介
 劇団の名前の意味は、デフ=deaf(耳が聞こえない人)パペットシアター=Puppet Theater(人形劇団)ひとみ=目で見てたのしむ
 日本でただひとつ、耳の聞こえない人と聞こえる人が一緒に人形劇を作っているプロの劇団です。

 さらにこうも書いてありました
 今日のお芝居は、みなさんが知っている、またみたことのある人形劇と少しちがうと思います。言葉をほとんど使いません。人形は出てきますが、それ以外に出てくるものは「はこ」だけです。

 耳の聞こえない人も出ていて、せりふもなく、人形とはこだけの劇…一体今日の劇がどんな劇になるのか全く「想像」できませんでした。
 そして、チャペルでその劇は始まりました。確かにせりふはなく、静かな中で淡々と進んでいきます。出てくるのは説明通り人形とはこだけでした。しかし、その一見難解に見える劇に、こどもたち、そして大人たちは釘付けになりました。抽象的な「はこ」があらゆる意味を持ち、見ている人はいつも「なんだろう」「なにを意味しているのだろう」という緊張の中で集中します。そしてそれが何を意味しているかわかると、ほっとしてみたり、一斉に笑ったりします。誰に教えられたわけでもありませんが、それぞれに、想像力のアンテナを最大限に張り巡らせて、この劇を楽しみました。
 そして終わったとき、楽しかったという満足感と同時に今まで感じたことがない疲労感を感じました。新しいスポーツを体験したときに、今まで使っていない筋肉を使ったときのようなそんな感覚でした。それは、普段からいかに「想像力」という感覚を使っていなかったかを意味していることは明白でした。
 わたしたちは毎日、目に見えるもの、耳に聞こえるもの、そのままを受け入れ、理解し、生活しています。その毎日が「想像」という力を遠くに押しやってしまっていたようです。思えば、おとぎ話も想像で聞くことで楽しく感じられるものですし、紙芝居や読み聞かせなども想像を楽しむものだと思います。
 神さまは、このすばらしい感覚「想像」を人間にだけくださいました。わたしたちは、神さまからのプレゼント「想像」を日常的にはたらかせて、このすてきな感覚をもっともっと楽しめたらいいなと思えた一日でした。

 

教頭 田村 一秋
(学校だより けやき 第482号2018年6月28日発行)

 

月別アーカイブ

sub_blogside
ページのトップへ戻る