アクティブ・ラーニングに向かって

2016/07/01   先生のことば

 2最近、アクティブ・ラーニングという言葉をよく聞くようになってきました。アクティブ・ラーニングとは、文部科学省中央教育審議会の用語集では、以下のように述べています。「教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。(以下略)」

 つまり、アクティブ・ラーニングとは、従来の教師主導の一斉授業ではなく、子どもたちが能動的に参加する授業ということになります。そして、このアクティブ・ラーニングが次期学習指導要領に盛り込まれるようになります。学習指導要領とは、子どもたちが何を学ぶのか、教育のカリキュラムを編成する大本のものです。10年に一回改訂され、次期の改訂は2020年です。従前の学習指導要領は学習する内容を明確にすることが目的の一つとなっていたのですが、アクティブ・ラーニングという言葉が入ってくると「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」という学習方法までもが学習指導要領に入ってくることになります。

 聖学院小学校では、以前より、ワークショップ型の授業を取り入れた学習指導を行っています。結論を言ってしまいますと、このワークショップ型の授業はアクティブ・ラーニングです。

 ワークショップ型の授業では、「授業の中心に活動がある」ように授業を設計しています。そして、その活動を通しての体験を学びに結びつけるためにふり返りをします。「活動+ふり返り」が子どもたちのできる限り自由な気楽な感じの中で行われるように教師はファシリテーターとして子どもたちを導きます。

 具体的な例をあげます。4年生で「新聞を作ろう」という国語の単元をワークショップ型の授業で行いました。手順は以下の通りです。 ・新聞のテーマ、構成、作り方を大雑把に教える。(聖学院小学校の行事をテーマ。) ・グループに分かれて編集会議を行う。(テーマに沿った記事の内容の分担を決める。) ・記事の分担が決まったらそれぞれが記事の取材をする。(聖学院小学校のウェブサイトをiPadで見て基本的な情報を確認。) ・実際に記事原稿を書く。 ・第2回編集会議(記事の割り付けをグループで決める。) ・iPadに手書きで記事を書き必要な写真を貼り付ける。 ・第3回編集会議(iPadから印刷された新聞を読み、校正作業を行う。) ・新聞発行。

 この間、教師は児童に教えるというよりは、授業進行と相談役に徹します。

 こうして出来あがった新聞を他のグループと読み回しをし、ポストイットに書き合い、お互いに共有、ふり返りを行います。

 この授業は「教師の説明」+「児童の活動」+「ふり返り」といったワークショップ型の基本構造が成立しています。

 また、聖学院小学校では「作家の時間」という時間を行っています。この活動は、子どもたちが書きたいものを書きながら、書くことの楽しさを味わうことが大きな目的の一つにあります。

 この「作家の時間」は、「ミニレッスン」+「ひたすら書く」+「共有」で一時間が構成されています。これは先ほどのワークショップ型の授業の構成と同じ構造になっています。授業の中心に活動があってその活動の体験を学びに結びつけるためにふり返りがセットされているのです。

 アクティブ・ラーニングの「能動的な活動」がワークショップ型の授業における「活動中心の学習」に対応し、「ふり返り」を通して自分の学びを可視化し、理解を深めるのです。このように、ワークショップ型の授業はアクティブ・ラーニングの一つの形となります。

 今年、教科研究委員会では2回の研究授業を行います。そのうちの一つのテーマがアクティブ・ラーニングの「作家の時間」です。校内で組織された国語研究会のメンバーが日々の研究を行い授業に向かいます。このように、教師もまた、アクティブ・ラーニングを実践中です。

 教科研究委員会 池内 清

学校だより「けやき」第460号より

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