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&Talk SDGsの見つけ方‐“好き”から始めるSDGs‐

■アウトプットは目的ではなく、興味をもってより深く関わっていく過程の一つ

――SDGsや社会課題に触れ、インプットにとどまらずアウトプットまでつなげるには何が必要だと思いますか?

武本 まず前提として興味を持つことが間違いなくあると思います。一目惚れ的に出会うと思われがちですが、本当に好きになるとか興味を持つというのは、その瞬間だけで成立するのではなく、もうちょっと踏み込んで関わって育っていくものだと思います。
私はALSという難病の患者さんの取材活動を続けています。ALSに興味をもった最初のきっかけは、あるALS患者さんの手記を本屋で見かけたことで、奇しくもその後すぐに別のALS患者さんの手記で撮影するお仕事をいただきました。その後、他の患者さんを紹介してもらったり自分から会いに行ったりなど現在まで38人の患者さんを取材しています。次々に会っていく経験をした時に「あ、これは何かしなければいけないな」と感じました。
つまりアウトプットというのはゴールではなく、インプットとアウトプットを繰り返して好きになる、興味をもつ過程の一つだと思います。SDGsに関していうと、「アウトプットしなくちゃ」と思うことより、それを上手く取り込んでいったらいつの間にかアウトプットできていた、となるのが良いかなと思います。
石原 武本さんが撮影されたALS患者さんの写真をみると衝撃を受けます。まず、そのインパクトは言葉だけでは伝わらないし知らなかった世界を知るきっかけになります。興味を持ったことに深く深く関わって形にするというのは大切だなと改めて思いました。
武本 写真に関していうならば、人は絶対に好きじゃないものは写真に撮らない、興味のあるものしかシャッターを切らないと思っています。その点で写真は好きなもの、興味があるものがとてもわかりやすいツールかもしれないですね。
田村 小学生は特にそうですね。被写体にこだわりがあったり、我々が気がつかないようなものが見えています。
武本 だから小学生の写真を見たいなと思いますよね。何に興味があるかストレートで。
田村 そうですね。先ほど話したiPadで写真を撮る授業でも、「ここはどこ?!」「なんでここを選んだの?!」って聞いたら、必ず面白い答えが返ってきます。それが聞きたいですよね。だから私は写真にプラスして写した子の思いが知りたいのです。それは周りが納得するものかどうかはわかりません。でも「この子はこう思ったんだ」というところが大切で、そういうアウトプットにはつなげたいと思います。
石原 一億総カメラマン時代ということを考えるとSNSもアウトプットの一つだと思います。「いいね!」も人に影響を与えたという評価の証です。しかしそこで終わりにしてしまうと、ただの評価というだけで通り過ぎていきます。「いいね!」をもらって終わりではなく、このコンテストのように写真を応募して評価をもらい、それを大勢の人と共有するのが大事なのではないでしょうか。それはSDGsでいえば提起になりますし、自他ともにテーマについて考えるきっかけになります。そういうことを経験したり理解できるのが、聖学院小学校の教育にも通じるところで、教育の力だと思います。
武本 普通に生活している中でも人は無意識にアウトプットをたくさんしています。例えば本を読んで「こういうことが書いてあったよ」と誰かに言ったり、自分がしてもらったことに対して感想を述べたりするのも、実はアウトプットです。何かを伝えて返してもらう、それを重ねて周囲と関わり合うことで、どんどんそのアウトプットが大きくなっていきます。このコンテストはまさにそういう要素が大きかったと思います。自分が大事にしているものにファインダーを向け、写真と言葉で送り、それを受け取った審査員がコメントをして応募者に返す。応募者の中には「審査員からコメントをもらえて励みになった」という人がいたと聞きました。ここでまた新しい関わり合いが生まれアウトプットが大きくなっていますよね。私たち審査員が気づかせてもらうこともたくさんありましたし、とても楽しいコンテストでした。

「「いいね!」をもらって終わりではなく、コンテストに応募して評価をもらい、それを大勢の人と共有するのが大事なのではないでしょうか。」と語る石原さん

 

 

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