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FOCUS_造形表現基礎 聖学院大学

水風船を割った瞬間。子供の頃に見た水風船の破裂の瞬間、その興奮を彷彿とさせる一枚です。

プロセスの中の創造性に焦点を当てる「造形遊び」

小学校の図工に、遊びを通して創造性を身につける「造形遊び」というものがあります。小学校の学習指導要領でこの「造形遊び」は、絵や工作に並んで大切な教育内容に位置づけられているものです。作品を作ることが目的ではない不思議な「遊びの授業」は、子どもたちの興味と関心を呼び起こそうとする大切な授業になります。

聖学院大学には「造形表現基礎」という授業があります。保育士、幼稚園・小学校教員を目指す学生が「子どもの造形活動」を学ぶ授業です。授業を進めるのは東京都の小学校で専科として30数年図工を教えてきた柴﨑裕先生。現在授業はオンラインで行われています。二つに折った紙をヒラヒラ動かして「蝶」に見立て、どのように子どもたちの造形活動に導くか、また発展させるかを考えたり、水を使って遊び、その遊びを写真に撮ってコメントと共に提出する課題に取り組んでいます。水遊びの課題はまさに「造形遊び」への挑戦であり、子どもの世界に近づく実験です。中には「遊び」を「学び」へとつなげる逆説に悩む学生もいるようです。

「遊びのプロセスの中にこそ、個性と創造性があります。砂場遊びが分かりやすい例で最後は崩れてしまうかもしれませんが、作っている過程に子どもたちの生き生きとした創造性が発揮されています。出来上がった作品で評価することに縛られている教育観を、作品を作らなくていいんだと開き直って解放するための授業です」と語る柴﨑先生。

実際、課題に悩んだ学生も最後には「身近な水でも試してみると楽しめる。今回の課題で行き詰まったら遊んでみるのも悪くないと思った」と書いていて、柴﨑先生が意図するところに到達した様子が垣間見れます。

また、学生のコメントの中には「本来の図工の時間では、友だちに手伝ってもらったり、何気なく意見交換していることが多いと思う。この課題をグループでできたら面白いだろうと思った」という意見もありました。教室という空間を超えて広がる表現の可能性と、教室の中でこそ生まれるコミュニケーションの豊かさ。コロナ禍のオンライン授業のなかで、その両面への気づきは、これから教員になる上でとても大切な経験となるに違いありません。

柴﨑先生。美術館の中だけではなく、生活の中にこそアートがある。そういう気付きを授業の中で学生たちに伝えたいと語られていました。緊急事態宣言中に児童が家庭で制作した作品。

水遊びの課題では「久しぶりに地面が水のにおいになるのをかいだ」というコメントもあり、五感でも子どもの心に近づくことができたようです。

 

課題「1枚の紙から」
 本文でも紹介した、1枚の紙を蝶に見立てて子どもたちが何をしたいか展開を考える課題です。中には、1匹では寂しいからと自ら蝶になる学生も。「教室の授業ではここまでの発展は難しかったかもしれない」と柴﨑裕先生。

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