就学前に伸ばす学力

2017/10/30   先生のことば

 もしかするとこの文のタイトルに違和感を覚える方がいらっしゃるかもしれません。学力という言葉は小学校以上の学校において使われることが多いからです。

 私たちが「学力」という言葉からまず思うのは知識とか技能と言ったことではないでしょうか。ですから高い学力とは知識が豊富であるとか十分な技能を持っていることだと考えます。元より知識や技能が大切であることは当然です。聖学院幼稚園に通う子どもたちも日々の保育の中で色々な知識や技能を身につけていきます。保育者が知的な刺激を意識的に与えることもありますが、それはお勉強という形ではなく、あくまで遊び(自由遊びだけを指すのではありません。)を中心とした毎日の活動の中で身につけるものだというのが聖学院幼稚園の考え方です。

 しかし学力とは知識や技能だけを指すのではありません。文科省は、「確かな学力」について「知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの」と説明しています。すなわち、知識や技能を伸ばすための意欲や自分から学ぶ姿勢、知識や技能をよりよく生かすための判断力、行動力、問題解決力も学力だと言っているわけです。

 知識や技能は自ら学ぶ姿勢を持つことで、広がり、深くなっていきます。また、知識や技能はそれを正しく用いることが大切です。判断力、行動力、問題解決能力は知識、技能を正しく用いるために必要な力です。

 こう考えますと、「学ぶ意欲や自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力」は知識や技能を身につける前提として持っているとよいと考えることができます。

 聖学院幼稚園は前述したようにお勉強は行っていません。けれども知識や技能の習得を促進するための自主性や、知識や技能を正しく使うための力を育てる役目が私たちにはあると考えています。例えば年長組が大型製作で何を作るかをみんなで話し合うこと、お店屋さんごっこで何を商品にするか話し合い、役割分担を決めること、クリスマス会や保育参観での発表の配役や楽器担当を自分たちで話し合うことなどは意欲、判断力、行動力、問題解決能力といった力を育てます。

 幼い子どもたちの成長は親や保育者の働きかけによって促進されます。知識や技能のように結果が目に見えやすいものだけに目を向けるのではなく、年齢に応じて伸ばすべき力があることを心において、大切な子どもたちの教育に努めたいと思います。

園長 佐藤 慎

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