まず聞くことから

2017/01/11   先生のことば

 2017年の新たな歩みが始まりました。本年もお預かりしているお子様のよき成長のため、保育者一丸となって全力を尽くして参ります。引き続きご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 さて、4月からの子どもたちの成長は著しく、驚かされることも多いのですが、特に礼拝やクラスでの一斉の活動の時に話をきちんと聞く姿に大きな成長を感じます。小学校で長くクラス担任をしてきた私は、読む、書くといったいわゆる基礎学力はもちろんのこと、思考力、コミュニケーション能力など多くの力の伸びは、話を聞く力と深く関わっていることを実感しており、聞くことができるということはとても大切だと考えています。ですから、子どもたちが聞くことができるようになったということは私にとってとても嬉しいことなのです。

 ではなぜ聞くことが大切なのでしょうか。それは私たちが持っている「ことばの力」の中で最初に身につけるのが「聞く力」であることを考えればあきらかです。生まれたばかりの赤ちゃんは、話すことはもちろん、読むことも書くこともできません。けれども聞くことができることを私たちは知っています。ですから、私たちは生まれたばかりの赤ちゃんに、そして胎内の赤ちゃんにも、熱心に語りかけるのです。そして人は聞くことによって言葉を習得していきます。聞くことなしに話すことができるようにはならないのです。

 しかし、聞くのが言葉であれば何でもよいわけではありません。大切なのは、聞く言葉が人格を持ったものでなくてはならないということです。テレビ、ラジオ、スマートフォンなどの機器から聞こえる言葉は人格をもっていません。それらの言葉は一方通行であり、会話にはなり得ません。もし、これらの人格を持たない言葉に触れ続けていると、どういうことが起こるでしょうか。人格を持つ言葉と持たない言葉の区別ができないようになってしまう危険があります。子どもの私語もそうですが、実は大人の集まる集会や会議中の私語も、人格を持つ言葉と持たない言葉の区別ができないことが大きな原因ではないでしょうか。

 「聞く」は話す、読む、書くの土台となるものです。この土台をしっかりしたものにするために私たちがするべきことは、子どもたちにたくさんの絵本や物語を読んであげること、子どもたちとたくさん会話をすることを通して、子どもたちが生きた人格のある言葉を聞く機会がなるべく多くなるようにすることだと私は考えています。

園長 佐藤 慎

 

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