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学校だより「けやき」第389号 (2010.02.01発行)

言葉の力

けやき第389号  今年度もあと二ヶ月、登校日数は残り約30日となり、一年間のまとめを意識する時となりました。学習面では先日学力テストを実施しましたが、2月に行われる個人面談では、その結果を踏まえてお話しさせていただきます。学力テストは国語と算数の2教科ですが、それぞれの学年で一年間に学習したことすべてが範囲となっています。各単元を終えたときに行われるカラーテストも理解度を測る上で大切ですが、学んだことが本当に定着しているかを知る上では学力テストに象徴されるようなまとめのテストが重要となります。けれどもテストの点数や偏差値にだけ目を向けたり、どの問題が合っていた、間違っていたということだけに目を向けていたのでは次につながる適切な対処をすることはできません。

 1つ例をあげたいと思います。5年生の算数で学習する「割合」の代表的な問題の一つに「食塩水」の問題があります。この問題を間違えてしまう場合、原因は三つ考えられます。一つ目は計算ミスによって正しい答えが出ないケースです。二つ目は食塩水について、「食塩水の重さは水の重さと食塩の重さを足したもの」「食塩水の濃度とは食塩水全体に対する食塩の割合」といった基本的な知識がないために解けないケースです。三つ目は問題文の意味が分からないために解けないケースです。一つ目と二つ目の対処方法は明確です。一つ目は計算力の問題ですから解決策としては計算力をつけるために継続的に練習することが求められます。二つ目はある意味でもっと簡単です。多くの場合、前述したような食塩水についての基本的な知識を身につければ問題を解くことができるようになります。それにくらべ、三つ目の原因への対処はやさしくありません。それは「言葉の力」が足りないことに起因するからです。計算力や漢字力はそれがそのまま点数にあらわれます。しかし、「言葉の力」のうち点数で表すことができる部分は大きくありません。ですから点数化できる部分だけで言葉の力のある、なしを判断することは間違いのもとになります。

 では「言葉の力」をつけるためにはどうしたらよいのでしょうか。まず大切なのは家庭での会話の質をあげることです。経験から言って家族間での会話が活発で、かつ話題が豊富な家庭に育った子どもは、まず優れた言葉の力を持っています。主語、述語が整った言葉を話す子ども、順接や逆説の表現が自然に出てくる子どもは普段から家庭でも会話する機会が多いのです。「うちの子は無口で・・・」とおっしゃる方がありますが、豊かな会話は最初から自然にできるものではありません。やはり、大人からの働きかけが必要です。そしてこれは継続する、もしくは日常化することが大切です。計算力は伸びが点数などで簡単に確認できます。また練習の成果が比較的早く出ます。けれども言葉の力の伸びは日々実感できるものではありませんし、伸びるのに時間もかかるからです。

 言葉の力をつけることは単に学力を伸ばすだけでなく、よい人間関係を築くためにも大切です。点数などの形で目に見える学力を伸ばすことだけに目を向けがちですが、言葉の力など、目には見えにくい力も伸ばすことに意識を向けることが大切だと思います。

教頭 佐藤 慎

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