先人の知恵に学ぶ子育て
早いもので、「如月」を迎えようとしています。一番寒い時期に、少しずつ春の準備をする木々の芽の生命力の強さに、しばし感動させられます。「北風の向こうには春」が見え始めていますので、呉々もご健康に留意して日々をお過ごしください。今はほとんど見かけない風景になったのかもしれませんが、寒い地方の田舎では「麦踏み」という作業があります。11月頃、種まきをしてせっかく出た麦の芽を足や機械を使って、丁寧に踏みつけていきます。不思議な作業ですが、上から踏むことによって麦の根は、土の中深く張って、やがて冬になり霜柱や多少の雪の害があっても、ビクともしないように育つとのこと。先人の知恵の深さに、いたく感心したものです。 さて、子育てにおいても、子ども達の心に深く広く根を張って、将来やって来るであろう試練をものともせず乗り越えていく礎を築く知恵が必要です。大人はその点を見極め、心身を鍛えるべきことを教えなくてはなりません。「大事な子ども」だからと、ただ、大事に抱え込むのでは、心身逞しく育ちません。その意味で、学校生活は人生の「生き方道場」でもあります。時には起こる、子ども同士のぶつかり合いは当たり前であり、そんな時こそ、人間関係を上手に築くこつを学ぶ絶好のチャンスでもあります。そのトラブルを乗り越えて、さらによい人間関係を築く「ソーシャルスキル」を授業でやっている学年もあります。少子化の時代、その重要性は益々増しています。「当たり前だけど、大切なこと」という本が最近売れていると言うことです。それだけ子育てに、知恵が必要という時代背景があるのでしょう。 そのポイントの一つが「親や教師への尊敬」であると、私は考えます。聞くところによると、一般的にですが、日本での教師や親への尊敬度は、他国に比べて著しく低下しているとのことで嘆かわしいことです。子ども達の成長にとって、けしてプラスのことではありませんね。また、家庭において父親・母親の存在がいかに大切かを、本校の保護者の皆さま方は十分おわかりかと存じます。しかし、世相は必ずしもそうではありません。子どもが我が儘放題にしているのを、手をこまねいて放任している。または、言うことを聞かないからと虐待するケースが後を絶ちません。そのような流れのただ中で、その流れに身を任すことなく、育児や教育の根本は何であるかと尋ねつつ、賢明な対応をして参りましょう。どんなに事業に成功するよりも大切な任務に、子育てがあることを肝に銘じておきましょう。「白銀も黄金も珠もなにせんに まされる宝子にしかめやも」です。しかし、私たち大人も、生きる指針なくしては、自信を持って子ども達を導くことはできません。 聖書の時代も、賢者たちは教育には特に知恵を用い、多くの言葉を残してくれています。聖書というと何か取っつきにくいと思う方がおられるかと存じますが、旧約の子育ての書といわれる「箴言」にしろ、イエス様の言動にしろ、実に具体的で私たちの生活にすぐに役立つことばかりです。縁あって本校の保護者となられた皆様には、いつの時代にも通じる「知恵の書」に心を傾けて、子ども達の手本となるような生き方をして頂きたいと期待しています。もちろん私たち教職員もそのことを常に念じつつ、歩んでいきます。それぞれの進学、進級は目の前です。 [ 教頭 角田芳子 ] |