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先生のことば

自らを成長させる力

緑のオリーブ No.2017-02

 

 「学ぶ」という言葉があります。辞書を調べると、①教えを受けたり見習ったりして知識や技芸を身につけること、②勉強すること、③学問をすること、④経験することによって知ること、⑤まねをすること、などの意味があります。本来、学ぶは「まねぶ(学ぶ)」と同源で、「まねる(真似る)」とも同源です。そのことからもわかるように、自分が真似したいと思う人のやり方を「まねぶ」ことから始めるのは学びの基本と言えるでしょう。それに対して「勉強」とは、「勉(つと)め強(し)いる」ことで、元々は気が進まないことを仕方なくするという意味でした。日本では近代以降、知識を得るために努力することが美徳とされるようになったことから、「勉強」は「学習」とほぼ同じ意味で使われるようになりました。

 一般的に勉強や学習にはめざす知識や技芸を習得するという目標があります。一方、「まねぶ」には必ずしも目標が定められたものではない場合もあります。たとえば多くの動物も子は親の真似をしますが、それは親と同じになるという目標があるわけではなく、生物学的・社会的存在としての本能によるものです。ところが私達は、子どもの学びを議論する際、どう「教える」か、どう「学ばせる」かといった枠組みの中だけでつい考えてしまいがちです。あるいは、子どもの将来のためといったように「~のため」という大義名分の下、その目標に向けて「教え」、「学ばせる」ことを、子どもの学びを支えることと勘違いしてしまいがちです。でもそれは、本来の「学び」から切り離された「学習」を強要している可能性もあるのです。

 みどり幼稚園は「遊びを大切」にしている幼稚園です。そして、遊びを通して子ども達は様々なことを学び、成長します。しかしそれは「お勉強」や「学習」ではありません。大人が設定した目標を押しつけることではないのです。子どもに対して良かれと思い(あるいは無意識に)「こうすればいいよ」という手続きや方法を提供することが先立ってしまう時には、その子自身の自発的な「学び」の機会を奪ってしまうことにもなりかねません。ですから、子ども達が自ら学ぼうとしている時に手伝ってあげられることこそが私達の教育であると考えているのです。但し、いつまでも他を真似るだけでは自分のオリジナリティを発揮することはできません。最終的には、自分自身で考え行動することができるようになった時、そこから卒業することになるでしょう。そして子ども達は、そのような「自らを成長させる力」を皆持っているのです。

園長  山川 秀人

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