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先生のことば

本当に必要なこと

緑のオリーブ No.26

 

 最近、本屋の育児書コーナーやインターネットでは、『頭の良い子』や『できる子』に育てるための“しつけ”についての解説本や記事が溢れ、子ども雑誌では“早期教育の必要性”が説かれ、おもちゃ売り場では知能を育てるおもちゃが山積みになっています。情報が氾濫し、一方で「褒めて育てる」とあれば、一方では「褒めすぎは子どもをダメにする」など、子育てはだんだん複雑になってきていると思わざるを得ません。しかし子どもの健やかな成長にとって本当に必要不可欠なことは、そんなに多いとは思えないのです。私は、自然の中で友だちと楽しく遊ぶこと、おいしいご飯をいただくこと、そしてめいっぱい身体と心を働かすことと考えています。昔から子どもはそうやって成長してきたのではないでしょうか。

 子どもは本来水あそび、砂あそび、泥あそびが大好きです。7月に入り暑くなってくると幼稚園でも水や泥や絵の具などで遊ぶ機会が増えてきます。小さな子はお風呂や洗面器の水をバシャバシャして水しぶきを上げて喜びます。その内、水道の蛇口の前で流れ出る水に手をつけていつまでも遊んでいます。砂で山を作ったりトンネルを掘ったり川に水を流したり、泥で団子をつくったり投げつけたり、泥水の中に寝転んだり、全身ずぶ濡れ、泥だらけになっています。でも、何故そんなに面白いのでしょう。それは、水や砂や泥(絵具も)などは、形が決まったものではないからかも知れません。自分が働きかけることによってどのような形にでもなる、そのように変わっていく姿が子どもにとっては楽しいのかも知れません。決まったもので遊ぶのではなく、自分の好きなように自由に遊べる、自分の気持ちを解放して楽しむことができるということではないでしょうか。

 なお、時々水に濡れることを嫌がったり、泥んこになることを嫌ったりする子がいます。感覚過敏であったりする場合は別にして、濡れたり汚れたりすることをとても気にする子の多くは『よい子』であるように思います。しかし、幼稚園時代は将来の人格形成の基礎を育てる時です。そんな時、いつも大人の目や反応を気にして遊んだり、指示されて何かをやるのではなく、自分の気持ちを解放させ、やりたいことをやりたいように思いっきり遊ぶことも必要なことだと思います。そして、そのような経験がしっかりとした自我や自分への自信や自己形成につながっていくのではないでしょうか。

園長 山川 秀人

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