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先生のことば

グレープフルーツ

緑のオリーブ No.24

 

 入園式の頃、子どもたちを待っていたのは満開の白い花。裏門の左側にある鋭い長い大きな棘のある木です。白い美しい可憐なとしか言いようのない白い花たち。棘があまりにも鋭いので冬みかんぐらいの大きさに実がなった時になって、初めてそれがグレープフルーツの木であることを私は知りました。そして、園児たちが食べたデザートのグレープフルーツの種が芽を出して、あんなに大きな木になったということを知った時はビックリしました。鋭い棘があるからでしょうか。裏門の外の茂みに移植され、そこで人知れず育ってきたのです。実は試食するまでに大きくはならないのですが、花は本当に美しくいい匂いがします。裏門の茂みにはくぬぎや山茶花、柘榴など、園庭にも負けないほどの木々が育っています。「どれもこれも、こんなに小さかったのですよ。」と大きさを示しながら教えて下さった先生と同じように、みどり幼稚園の園児たちをずうっと見守って来たのだと思うと、愛おしくなります。

 37年の歴史を思う時、その時々にこの園の歴史を紡いでこられたみなさんが偲ばれます。一朝一夕に出来た園ではない。礎があり、一段一段と積み上げられてきた喜びや苦しみが結晶になって、実っているのだと強く思います。

 1978年創立の時から1999年3月まで、園長として働かれたW.G.クレーラ先生を懐かしく思い出します。園長としての先生をよく知っていたわけではありません。むしろ、園以外でのお働きから先生を存じ上げていました。クレーラ先生は84才で天に召されました。今年の1月11日に、アメリカから奥様とご子息を迎え学院としての記念会が持たれました。私は、たくさんの良き先輩の方々に育てていただきましたが、クレーラ先生もそのお一人です。「さようなら。」とお別れすると、また、すぐにお会いしたくなる方でした。先生ご夫妻は来日なさると滞在中の何日かは私宅に泊まってくださいました。その理由は、私の勝手な想像ですが、大学の傍であること。自由であること。話し合うことが楽しい、などでしょうか。お別れすると私たち夫婦はその余韻を味わい、「素敵なご夫婦ね。私たちもあのような夫婦でありたい。」と話したものです。素敵な先生ご夫妻と知り合えたことは幸いなことでした。

 先生ご夫妻の人生の歩みが、みどり幼稚園の歴史に織り込まれているのです。先人たちのなさってくださったことを無駄にすることがないように力を合せたいと思います。

 子どもたちの歌声、笑い声、泣き声、足音、すべてが幸せを運んできます。

園長特別補佐 富沢 寿美子

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