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先生のことば

わかった?

緑のオリーブ No.10

 大人と子どもの会話を聞いていると、時々「わかった?」という言葉を耳にすることがあります。だいたいが大人が子どもに向かって何かを確認する場合に用いられるのですが、何気なく発せられたこの言葉、言われた子どもの表情を見ているとなかなか面白い(?)と感じてしまいます。全く意に介さない風に「うん、わかった!」とニコニコ返事をする子、露骨に”うるさいなぁ”という表情をしながら「わかったよ」と答える子、「・・・(黙って)」じっと下を向いたままの子、その表情は実に千差万別です。でも不思議なのは「わからなかった」と答える子はほとんどいないことです。おそらくその思いは、上に挙げたそれぞれの例の中に隠されているのではないでしょうか。ひょっとして「わからない」と答えたら、次に発せられるだろう大人の言葉に本能的に恐れをなしているのかも知れません。しかし、それに追い打ちをかけるように「本当にわかったの?」などと言われようものなら最悪です。今までニコニコしていた子も表情が一変し”自分は信用されていない”ということを感じ取ってしまうでしょう。

 確かに私たちは相手と話しをしている時に、ふと”本当にわかってくれているんだろうか?”と不安になってしまうことがあります。そんな時、さすがに大人に対しては失礼と思うのでしょうが、子どもに対しては案外軽い気持ちで「わかった?」などと言ってしまうことがあります。しかしこの言葉は、”本当は話を理解していないだろう”という前提で確認されているように相手は受け取ってしまうのではないでしょうか。大人に対してはあまり使わないこの言葉を子どもには無意識で使ってしまうことがあるのです。

 これは、単に話が通じたとか通じていないとかの問題ではなく意思伝達の手段である言葉によって相手の心を傷つけてしまう場合があるということです。しかし逆に言うと、言い方を変えることで相手の心を傷つけずに正しく確認することができるということでもあります。それは叱る場合も同様です。上から目線で子どもを一方的に責めるような言い方ではなく「いまの先生の話し方でなぜ先生が困っているかわかったかな?」などのような表現も考えられます。子どもの気分を害することがない言い方さえできれば、子どもは結構素直に本音を言ってくれます。ちょっとした言葉を付けたすだけでも、子どもの心を開くことができるのです。

園長  山川 秀人

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