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先生のことば

生命(いのち)の木

緑のオリーブ No.04

 私は北海道の出身ですが、子どもの頃は白樺やナナカマドなどの木々に囲まれた環境の中で生活し、小さな頃から木と共に育ちました。夏の暑い日も、とっておきの隠れ家である涼しい木陰でお気に入りの本を読むことが幸せでした。しかし、このような恵みに増して素晴らしいのは、木々が私にとってのインスピレーションやアイディアの源となったことでした。

 その後、農業関係の研究者となった私は、人間の健康と幸福のために木がどれほど重要かを改めて思い知らされるようになりました。木は私たちに美味しい果実、香りよい花、医薬品、そして私たちが呼吸する空気を提供してくれます。生物学者たちは木を「地球の肺」と呼びます。木が二酸化炭素を吸って酸素を放出し、私たちに生命を与えるからです。木はまさに神の創造の奇跡と言えるのではないでしょうか。

 キリスト教のお話しに「三本の木」というのがあります。オリーブ、オーク、パインの木はそれぞれに夢がありました。オリーブは立派な宝箱に、オークは大きな船に、そしてパインは山の頂に立ち続け、その立派な姿を通して神様の偉大さを伝えたいと…。ところが、彼らの夢はどれ一つとして叶うことはありませんでした。三本の木たちは絶望し自分たちにはもう価値がないと嘆きました。しかし、神さまは別の役割をこの三本の木に用意しておられたのです。

 そして我が幼稚園の園庭にも3本の大きな木があります。ケヤキ、ユリノキ、クヌギです。もちろん園庭にはその他にも多くの木々があり、季節ごとに私たちに幸せな思いを運んで来てくれます。しかし、この3本の大木は夏の日差しを和らげてくれるだけではありません。この木の下に来るとなんとなくホッとするのは私だけでしょうか。意図的に作られた限定的な空間ではなく、子どもたちが新しい未知との出会いを経験できる場として、また自由に遊びを創出し拡がりを促す場として、子どもたちの感性と遊びを育てる空間となっているように思うのです。「三本の木」は自身の夢に破れましたが、幼稚園の「3本の木」は何を願うのでしょう。子どもたちが主と出会うことによって、それぞれの人生に真の役割と意味を見いだすことでしょうか。
 

園長  山川 秀人

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