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先生のことば

「自分自身を受け入れる」

緑のオリーブ No.02

 「神を仰ぎ人に仕う」との言葉は聖学院全体のスクールモットー(標語)です。新約聖書のマタイ福音書22章のイエス・キリストの言葉「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』」を根拠としています。

 ところで、日本では『八百万(やおよろず)の神』とか『鰯の頭も信心』などといって何でも拝む対象とする傾向がありますが、神は拝み、怖れ、かしこむ存在ではあっても愛すべき存在とはちょっと違うようです。しかしキリスト教の神は愛する対象なのです。religion(宗教)という言葉はラテン語のreligareからきていますが、この意味は「結び直す」ということだそうです。つまり、キリスト教的には第一の戒めは信仰と愛によって神に自分を結び直す事なわけです。

 また、自分自身のように隣人を愛することを戒めの第二としていますが、これもなかなか難しい課題です。私たちは時に自分自身をさえ愛せない場合があります。自分の至らなさ、容貌、心の醜さ、失敗への後悔、愛の足りなさなどに悲しい思いをつい持ってしまいがちです。逆に自己満足や自己中心で自分を愛している人もいますが、結局は、無思慮で他人を傷つけ周囲を辟易させる存在であることが多いのです。しかしそうではなく、バランスの取れた自己分析で自分を受け入れ、愛し、認めることを私たちは学ぶ必要があります。自分に満ち足りていなければ、どうして自分の子どもや他人を満ち足らせられるでしょうか。

 私はある一人の学生のことが忘れられません。彼女は常に「私は自分が大好きです」と公言してはばかりませんでした。そしてそんな彼女の周りにはいつも人が集まってくるのです。私は「なるほど自分を正しく愛する人は自然と他人をも愛することが出来るのだ」と知らされました。さらにもう一つ教えられたことは、自分自身を愛していることを口に出して言い続けることです。自分を愛することは、自分自身の弱さを含め、それを丸ごと受け入れることです。自分を受け入れることで人は強くなれます。そして本当のやさしさを身につけることができるのではないでしょうか。

園長  山川 秀人

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