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先生のことば

「一人ひとりの金メダル」

緑のオリーブ No.11

 ソチオリンピックが閉幕しました。先週行われたフィギィアスケートの浅田真央選手の演技は心に残る一コマでした。ある評論家は、「スポーツとはなにか=浅田真央」と答える、と言っていました。選手が持てる力を出し切った姿そのものに心から感動しても、頭の片隅のどこかに(メダルが取れていたら…)とつい考えてしまうものだが、それを全く感じさせないものであったというのです。

 私は子どもたちの姿が重なりました。時を同じくして、プレイルームで子どもたちが大型箱積み木を積み上げてジャンプ台を作り、そこから飛び降りる遊びを始めました。日を追うごとに高さも少しずつ増して、大人の背丈ほどもある高さからのジャンプを試みています。下を見れば想像以上の高さに、「わーぁー・・・できるかな?むりかな?」と迷います。「できる!」と思えば潔くジャンプしていきますし、尻込みをして引き返す子どももいます。ロッククライミングのように身を反転させて縁に手をかけて降りていく子どももいれば、さんざん考えた末、保育者に手を貸してほしいと求めてそれを頼りに怖さをはねのけてジャンプを試みる子どももいます。ギリギリのところに自分が立ち、子どもたちはやり遂げたいという思いと向き合ったり、自分の身体能力の可能性や限界を考えたりしながら、心身を連動させ、全力を投じて遊んでいます。ショートプログラムで窮地に立たされた浅田真央選手が、フリーに挑むときに見せた姿は、子どもたちが日々の遊びの中で育つときに見せる姿であると思わされたのです。

 真の遊びは、子どもたちが自ら(・・)選び、臨み、考え、試み、達成感を味わうものであると思います。自らの取り組みの中に、心から「やった!!」と思えることを見出したときに、本当の育ちがあるのではないでしょうか。メダルに代わる「形あるご褒美」がなくても、自分自身がその結果に満足し、傍らにいる他者に認めてもらえる喜びそのものが大切なのだと思います。

 幼稚園のここにも、あそこにも、子どもたちそれぞれの遊びが見られます。保育者は、子どもたちひとり一人の大切な瞬間を、より充実させるための配慮をしながら見守り、一緒に「やったね!!」と感動を分かち合いながら過ごしています。

主幹  相川由紀子

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