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先生のことば

「工夫を楽しむ」

緑のオリーブ No.03

 入園間もない頃、ジャングルジムの一番下から上を見上げてはやっと1段上ってまた上を見上げていた年少児。何も言わず、足元を見て、自分の足や手をもぞもぞと動かして、その日その時にできる自分の精一杯を試してみては、地面に降りてまた上を見上げて毎日過ごしていました。1日の変化はそんなに大きくはありません。そこで保育者が手を貸してもう1段上に上がるのを助けたら、できたかもしれません。でも、私は見ていました。ため息が出そうになるまで考えてじっと固まった時に、私もまねをしてみました。そして、上には登らず横に動いてみました。私に気がついたその子は、ちょっと表情を変えて同じように動いていました。右にも左にも動いたり、ジャングルジムの中に入ってみたり、いろいろ試してはジャングルジムで遊ぶ毎日がまた続き、5月が終わろうとしている今、その子はジャングルジムの一番高いところに上り、園庭を見下ろして眺めています。小さい体を使って、でもしっかり足場を確かめ、手でジャングルジムを握り、のぼったり降りたりしています。

 子どもの成長は、目に見えないところにたくさん隠れているものですね。心を遣って見なかったら見落としてしまいそうなことがたくさん積み重なって大きくなっていくように思います。「心を遣う=気・心を工夫して使用」とあります。「工夫する」こと、が楽しめる大人でありたいと日々忙しく過ごす中でもう一度思わされたできごとでした。

 そして、熱心に育てようと先を急ぎ、子どもが育もうとする力(自ら育とうとする力)を見過ごしてはいないかと、振り返ることもしたいと思います。無理をして何かに取り組むよりも、自らが学び取ろうとするエネルギーを活かしながら取り組むことの方が数段吸収しますし、自分のものになっていくことでしょう。それが見えないからと何かに頼ってしまうのではなく、導き出す大人も探りながら見つけ出していくことを労と思わず、「楽しみ」に変えていかれるよう工夫したいと思います。子育て真っただ中の者同士が、そのためのよい仲間になっていかれますようにと願います。

主幹  相川 由紀子

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