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先生のことば

「感謝」を深める夏休み

画像の任意のタイトル ようやく一学期が終ります。新入園児とその御家族はもちろん、進級児とその御家族にとっても緊張を強いられた3ケ月半であったと思います。この夏休みは、一学期を無事に終えられたことを共に感謝する時としたいと思います。

 「感謝」と言えば、私には忘れられない経験があります。それはもう20数年前のことです。 女子聖学院短期大学に入ってきたAさんとBさんのことです。Aさんはとても良い成績で短大に入学してきました。しかし彼女はこの短大に入ってきたことを残念に思っていました。自分はもっといい大学に入れたはずだという思いがあったのです。それにひきかえBさんは必ずしも良い成績ではなく、やっとのところで入学できた学生でした。しかしBさんはそういう仕方ででもこの短大に入れたことを心から感謝していました。自分のような者をこの短大は受入れてくれたという思いだったようです。そしてそれからの二年間のAさんとBさんの短大生括は日を見はる程対照的でありました。Aさんは益々生気を失っていき、逆にBさんはあらゆる面で活躍され成績も卒業時にはトップ5に入る程になったのです。あれ程成績の良かったAさんはギリギリの成績でやっと卒業したのでした。私は「感謝」の力のすごさを身にしみで感じました。

 これは子育てでも同じではないでしょうか。「この子を与えられてよかった」、この思いが深まれば深まる程子育ては楽しくなり、いろんな意味でうまくいくと思います。腹の立つこともあり、不満を言いたくなることもあるでしょう。しかしやはり「この子でよかった」との感謝の思いを貫くことが大事です。これからの一ケ月半の夏休みが、この我が子を与えられたことの感謝、みどり幼稚園を通して多くのともだちを与えられたことの感謝、それらを深める期間であれば、と願います。

 9月にまた元気な姿でお会いしましょう。


 実りの秋、読書の秋、食欲の…秋という季節は様々に形容されますが、芸術の秋とも言われるこの季節になると、翌年の春にかけて様々なコンサートが催され、私も幾つかの本番を迎えることになります。コンサートの楽しみ方は人それぞれによっても異なるのですが、どのような楽しみ方であったとしても、良いコンサート、本当に聴きに行って良かったと思えるコノンサートというのは、演奏する人間が自分のコトに集中する以前に、聴いて下さる方々と極上のかけがえのない時を共に過ごすことに、どれだけ腐心をしているかにかかっているのでしょう。私自身、若かった時分より尚一層そのことの重要性を思いながらコンサートの準備を進めつつ、これはみどり幼稚園で営まれている保育の本質と、似ているところがあるなと思うようになりました。

 ここでその全てを挙げることはできませんが、そのひとつとして、どちらも子どもたちや聴き手の感性に暖かく働きかけ揺さぶりかけながら、初めての素敵な経験をもって、それまで知らなかった世界に、その人そのものをいざなうことではないかと思うのです。それは、ある部分の進歩や変化というのではなく、ヒトとしての生き方の豊かさに通じるものでしょう。このような経験を重ね続けることが、例え悩みや困難が多かったとしても、そのヒトにのみ歩むことを許されたかけがえのない人生を、逞しく送ることに繋がるものと確信しています。

園長 濱田 辰雄

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