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先生のことば

「孫の手―敬老の日にちなんで―」

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 私はいつも「孫の手」を愛用しているおじいさんです。背中のどうしても手が届かないところがかゆくてしょうがないことが多いのです。ですからそういう時に「孫の手」は本当に助かります。むずむずをすっきりさせてくれる魔法の道具です。

 でも不思議に思うことがあります。それは、どうしてこの道具を「孫の手」と呼ぶのでしょう。「夫の手」や「妻の手」でもいいし、「親の手」や「子どもの手」でもかまわないのではないでしょうか。でもやはり不思議に「孫の手」という言い方が一番しっくりきますね(慣れもあると思いますが)。あの道具の長さ、細さ、指の部分の小ささなどが「孫」のそれを一番近く連想させます。

 そして何より、おじいさん・おばあさんの背中を孫がかいているという光景が何ともほほえましく感じさせます。言うまでもなく親(お父さん、お母さん)と子どもは仲良くしていたいものです。でもその子どもにはおじいさん、おばあさんがいて、その祖父母とも仲が良いというのは何と幸せなことかと思うのです。祖父母は親よりも死が近い存在です。そして老いのゆえにあまり活発に動けません。ですからこれから育ちゆく孫の生命力が何とも愛しいのです。その祖父母からの「愛しさ」が、親の愛情と相俟って子(孫)を豊かに育ててゆくのです。

 幼児虐待のほとんどは核家族(親と子だけの家族)の中で起きています。これから育ちゆく子どもには、「死と生の愛しさ」を知っているおじいさん・おばあさんの交流も必要だと実感しています。そして祖父母にとってもやはり「孫の手」が必要です。今までしてきたいろんな苦労がいっぺんに「かき」消されていく気がいたします。

園長 濱田 辰雄

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