「新しい年を迎えて思うこと」

いつもであれば、もっと晴れやかな気持ちで迎えられたはずの新年が、昨年の後半から急激に悪化した世界的な経済の落ち込みと、それに対する迅速で適切な対応ができない政治によって、働き盛りの多くの方々が突如職も住むところも失い、途方にくれながら年を越さざるを得ない状況を目の当たりにし、とてもすっきりとした気持ちにはなれないのです。そして社会全体に不安感が広がって人々の心が荒んでくると、その皺寄せはほとんどの場合弱いところへと向かってしまうので、あの方たちのご家族や子どもたちはどうしているのだろうか、ご年配の方々は大丈夫なのだろうか、私にもなにか出来ることはないのかと、居ても立ってもいられない気持ちになります。

しかし社会全体の状況に対して個人レヴェルで立ち向かっても、たとえ僅かな対症療法的なことはできたとして、すぐに限界がきてしまうのも事実です。政治も含めた社会全体が、隣り人を我が身のごとく大切に思いやったり、ひとの痛みに敏感であったり、弱いところに皺寄せがいかないように懸命に知恵を絞り力を尽くせるようになればと願うのですが、一方で他人の命を殺めることでしか自分自身の存在を確認できないような事件が多発する現在社会にあっては、もはやそれは遠い幻想でしかないようにも思えてしまうのです。

冬休みも終わり、みどり幼稚園に子どもたちがもどってきました。それそれの学年での仕上げの時期に入った子どもたちは、きょうもまた園での生活を通して、それぞれが異なった賜物を授かったお友達同士として、様々な工夫をし知恵を働かせながら、みんな仲良く楽しく過ごす経験を、たくさんしています。

今となっては幻想のようにも思える温かい社会に一歩でも近づくような動きが生まれるとしたら、きっとその中心には大人になったみどり幼稚園出身者がいることと確信しています。

副園長 村山 順吉