先生のことば �「親を支える幼保一元化の時代」
聖学院みどり幼稚園 先生のことば
「みどり幼稚園だより」 2004年10月29日発行より)


親を支える幼保一元化の時代


聖学院みどり幼稚園園長代行 濱田辰雄

 今、幼保一元化が進んでいます。国は来年度30ヶ所で幼保綜合施設を設けるそうです。群馬県六合(くに)村では今年4月に幼稚園と保育所の一体化施設「子ども園」を開園し、午前中は幼稚園、午後は保育所として活動しているそうです。今、親であることはとても大変な時代となっています。幼稚園や保育所はその親の代わりをしなければならなくなっています。

幼保一元化はそのひとつのあらわれでしょう。聖学院大学生たちの保育園実習の巡回をされた阿部洋治先生が、保育園の先生から聞いた話として次のような現代の親の状況を伝えておられました。 

我が子の呼びかけに愛をもって受け答えしない親たち。せっかくの土日も大人中心の行動で振り回され、幼な子は月曜日にくたびれ果てて園に「帰って」(?)来る。言語の発達が遅れ、他にも気づかわれる様子の幼な子の母親は、どうせ理解できないと思うから語りかけはしていないという。ある幼な子はSOSを発し、母の愛情を求めている。しかし母親にその信号は届かない。母親が働かなければならない家計状態ではない。仕事をやめて保育園に預ける資格を失いたくない。我が子と共にいることよりそこからの解放を求める。等々。

これはこの親たちだけの問題ではなく、私たちの「時代」の問題であると思います。もうずっと以前から「父の不在」「故郷喪失」という状況が指摘されていましたが、それが母親の状況まで影響してきたということでしょう。幼児虐待もそのあらわれの一つです。親を支える、また時には親を育てる、そのことが幼稚園にも保育園にも求められている時代が来たようです。



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