先生のことば �「夏の諸工事について」
聖学院みどり幼稚園 先生のことば
「みどり幼稚園だより」 2004年10月号より)

子どもの心と群れ遊び

聖学院みどり幼稚園園長代行 濱田辰雄

 先日NHKテレビで「子どもの“心の闇”」という番組を見ました。昨今続出する少年たちの凶悪事件の心の深層に踏み込んで作られた番組でした。

 明治大学の三沢教授がもう20年間続けられておられる描画テストを見ると、この20年間で子どもたちの心は確実に変化してきており、現代の子どもたちによって描き出される絵はまことに殺伐としたものでありました。すべての人物が残酷に殺しあっている絵とか一人雲の上に逃避している絵など、どれもこれも見ていて胸が詰まるような絵ばかりです。

 三沢教授は子どもたちの心がこのような殺伐な状況になった原因の一つに「群れ遊び」をしなくなったことを挙げておられます。遊び、特に群れ遊びと心の成長とは深く関わっていて、じかに他者と接し、時にぶつかり合う群れ遊びによって、人は他者のつき合い方、自己抑制のし方などを自然に覚えていくということなのです。今の時代、核家族化、少子化、ファミコン・ゲームの氾濫などによってこどもが群れ遊ぶことが極端に少なくなり、それによって他者とのふさわしい関係を築く訓練がなされなくなったのです。

 また群れ遊びとは少し違いますが、地域共同体(ご近所さん)の崩壊によって、年齢の違う人々(高齢者、大人、お兄さん、お姉さんなど)とのつき合いも少なくなっていて、これも子どもの心の成長に悪く影響しているとの指摘もありました。

 幼稚園での群れ遊びや、教会における他世代との交わりの重要さをつくづくと感じさせられた番組でした。



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