先生のことば �「世の光」
聖学院みどり幼稚園 先生のことば

認められること・期待されること

聖学院みどり幼稚園園長 鈴木健一

園児が、聖学院教育の理想像である「オンリーワン」であると知るには、「愛されること」であることを、既に何度もお話してまいりました。自分がかけがえのないものとして愛されて初めて、子どもは自分のことをかけがえのない大切な存在であると、自覚を持つことが出来ます。それは、家庭でも、大人の社会でも同じです。逆に自分はいてもいなくてもよい存在だと思うことこそ、その人を徹底的にだめにするのであります。非行少年の告白にしばしば見られるように、「ぼくは誰にも期待されていない」と思えば誰でも、生きる気力をなくしてしまい自暴自棄になってしまうでしょう。

さらに、ご家庭でお父さんお母さんが愛する仕方と、幼稚園において先生や友だちが愛する仕方には、違いがあるということも指摘してきました。では、教師特有の愛し方とはどんなものでしょうか。それは、集団の中でその子の存在を認めてあげ、役割を認めてあげることです。そして、周りの友だちがそう認めるように導くことだと思うのです。

入園すると、幼稚園特有の挨拶を覚えます。朝廊下で私に会うと、「園長先生、お早うございます」と言います。私も、「お早うございます」とか、「○○ちゃんお早うございます」と答えます。これは毎週金曜日の全体礼拝の時の挨拶から始まったものです。早い子は直ぐに使い始めますが、遅い子でも、1ヵ月もするとそうなります。特に口の遅い子どもの方から「園長先生、お早うございます」と初めて声を掛けられたときは、大変感動いたします。

このような挨拶は家庭にはないものです。この挨拶が出来たということは、幼稚園には家庭にはない園長先生という人がいる、という認識が成立したわけです。さらに、「園長」という言葉と「園児」という言葉は対になっています。ということは、その子どもの心には、自分は○○の家の**だという意識とは異なった、幼稚園の「園児」の一人であるという意識が生まれたことになります。園児とは、かなり抽象的ですが、一つの役割です。

さてさらに、集団の中でその子の「役割」を認めてあげることは、その子に何かを「期待している」ということです。どの子にも、神様が下さったタラント(才能)があります。それが期待され続けると、それぞれが何かみんなの役に立っていると思えるような雰囲気が集団の中に出来るのです。これが生きる意欲をわきたたせ、成長させるのであります。

私たちは、その子の存在を認めるだけでなく、その子の特色を知り、才能を発見し、役に立つ人だと認めることが、園児をオンリーワンとして愛することだと思うのです。

(みどり幼稚園だより)



先生のことばに戻る