先生のことば(2002年9月18日)

聖学院みどり幼稚園 先生のことば 2002年9月18日 入園説明会

「聖学院みどり幼稚園について」

1.聖学院みどり幼稚園のあらまし
2.遊びを中心として保育
3.自分のみの始末は自分でする
4.自分と他人のために働くこと
5.キリスト教と建学の精神
6.入園に際して注意して欲しいこと

 

2003年度入園の方を対象とした入園説明会が9月18日(水)14時〜15時まで幼稚園の遊戯室で行われました。その中から鈴木園長の「聖学院みどり幼稚園について」のお話と幼稚園の保育の様子をご紹介します。

1.聖学院みどり幼稚園のあらまし

聖学院みどり幼稚園は、1978年に誕生し、現在25年目を向えております。
最初は、女子聖学院短期大学の附属幼稚園として出発致しましたが、短期大学の児童教育学科が聖学院大学の児童学科に拡大しましたときに、附属ではなくなりました。しかし、児童学科の学生の教育実習園として、現在でも密接な関係のもとに、日々の保育を行っております。現に保育主任の相川徳孝先生は聖学院大学の先生でもいらっしゃいます。

現在、園児は102名。年少が19名で1クラス、年中が46名で2クラス、そして年長が37名で2クラスです。担任教師は、各クラス1名で、年少組にはその他補佐の先生が1名付きます。園長、宗教主任、保育主任がおり、その外全体の補佐の先生が1名います。
 先程礼拝を担当して下さった濱田辰雄先生は、聖学院大学の中にある緑聖教会の牧師先生です。聖学院はミッションスクールの伝統を持っており、聖学院みどり幼稚園の保育もキリスト教に基づいております。

2.遊びを中心とした保育

聖学院みどり幼稚園の保育の特徴を一言で言えば、「遊びを中心とした保育」ということであります。3歳から6歳までの子ども達の成長は、主に遊びの中で行われます。楽しく、のびのびと遊ぶ中で、自然や物との関わり合い、人との付き合いの仕方を体験的に身につけていくのが特徴です。もちろん、保育者の手が入らないわけではありません。

(1)遊びの中で、自然と全身で関わる

今年4月の終わりの頃でしたが、年少組の3歳の女の子が、やっと抱えることの出来る「じょうろ」に水道から水を入れていました。年長の人たちが水をやっているのを見ていて自分もやってみたくなったのでしょう。胸からお腹から洋服がびしょびしょになって水をいれ、その辺のコンクリートの上にまいているのです。周りにいるお兄ちゃんお姉ちゃんたちも止めたりはしません。自分たちもそうして育ってきたので、みどり幼稚園では当たり前なのです。

何度もまいている内に先生が近づいて何か話かけました。あんまりぬれるので注意するのかなと見ていますと、その子は更に水を入れて、草の方にいって水をかけ始めたのです。私には聞こえなかったのですが、きっと「草にお水をやると喜ぶよ」とでも言ったのでしょう。その子の意識は、じょうろに水を入れて撒くことだけで精いっぱいだったのですが、草にかけるというより高い段階に踏み出したわけです。私は、真にみどり幼稚園らしい光景だなと思いました。みどり幼稚園の子ども達は、このように遊びの中で、全身で自然と関わりながら成長してゆきます。

(2)遊びの中で人と関わる

数日前、年少の男の子が何人かの子と、どろんこ遊びをしていました。とても口の重い子で、私も気にしていた子でした。その子はしゃがんで、1人の女の子が使っていたシャベルが使いたいらしく見ていましたが、その内「かしてね」と言ったのです。女の子は黙って渡して上げました。集団の中で生きる素晴らしい光景でした。

欲しくなったら引っ手繰るのではなく、「かしてね」と言うのは、相手の人格を尊重する態度です。そして、このような言葉は、小さい子にとっては、遊び集団の中だけで身につけることが出来ます。いわゆる受験勉強のように、「かしてね」という言葉を暗記し、発音してみる程度では決して身につきません。この男の子は、この言葉が言えるようになったことで、心が広くなり他者の存在を意識し始めたのであります。

(3)教師が入る

 実は、このような言葉による人間関係に子ども達が生きられるようになるためには、教師の存在が欠かせません。
 
その次の日、その男の子は砂場で遊んでいる内に、うれしくなったのか1人の女の子に砂をかけました。女の子は泣き出しました。先生が近づいてきました。逃げようとする男の子の腕を掴んで、静かに「どうしたの」と聴きます。その子は気まずい顔をして答えませんでしたが、周りの子が事情を説明しました。先生は「それはひどいわ。砂をかけたのね」と確かめると、「うん」と頷きました。「じゃあ、ごめんなさいをしましょう」というと、その子は頭を大きく下げて、「ごめんなさい」といいました。謝りたくない心を抑え込んだ瞬間です。女の子は泣き止みました。

子ども達が自分で成長していくのを見守ることを基本としているみどり教師も、こんな時には積極的に係わるのです。そうでないと、子どもの世界に暴力がまかり通ることになります。この男の子は、「かしてね」と「ごめんなさい」の言葉を身につけると同時に、自分の欲望を抑え、コントロールすることが可能になった、と言ってよいでしょう。

こんな風にして、みどり幼稚園の子ども達は、遊びの中で、人と人との関係を学んでゆくのであります。

3.自分の身の始末は自分でする

以上のような「遊びを中心とした保育」には前提があります。楽しく、のびのびと遊ぶには「自分の身の始末は自分でする」という前提です。基本的な生活習慣を形作りながらあそばせないと、本当に楽しくは遊べないのです。朝登園すると、園児たちはクツを履き替え、リュックを自分の場所に置きます。そこで着替えます。大きな子には何でもないことが、幼稚園に入りたての子には大変な作業です。先生方は毎日、しかりつけないで、何度も繰り返し語りかけて、この習慣を形成しようとします。
 「自分の身の始末は自分でする」ということは、みどり幼稚園の保育の柱の1つであります。

4.自分と他の人のために働くこと

年長になると、さらに作業が加わります。ハムスターやうさぎ、そしてにわとりの世話をします。きゅうりや茄子をつくるお手伝いをします。自分のためだけでなく他の人のためにも「働く」のです。「働く」ということもみどり幼稚園の保育の大切な柱であります。
 この「働き」の延長として、年長組では、近所の老人ホームを訪問します。今年は今週の木曜日と金曜日に「あけぼの」を訪問する予定です。ボランティア活動ですが、このような活動を通して、他者に仕え、他者を生かし、他者と共に生きる人になってほしいのであります。これは、柱の上の屋根と言っていいかと思います。

5.キリスト教と建学の精神

 これらの柱と屋根による建物の土台に、キリスト教があります。先程宗教主任の濱田先生に礼拝を担当していただきましたが、神様のお言葉である聖書をきくこと、讃美歌を歌うこと、そしてお祈りすることが、日々の園の生活の支えとなり、リズムとなっております。
 このような保育を通して、聖学院全体の建学の精神である「神を仰ぎ人に仕える」ということを学ばせたいのであります。

6.入園に際して注意してほしいこと

入園を希望される方に対して、3つほど特にご説明しておく必要があります。

1)キリスト教について

今キリスト教についてお話し致しましたが、それはお子さんが入園すれば、聖学院みどり幼稚園ではその様な保育をするという意味であります。保護者の方の宗教は問いません。キリスト教のことを何も知らないご家庭のお子さんでも歓迎します。しかし、保護者の方もお入りになったら、ぜひお子さんと一緒にキリスト教の勉強をしていただきたいと思います。

2)聖学院小学校への推薦について

もう一つは、聖学院小学校への推薦入学についてです。東京の駒込にある聖学院小学校は同じ法人の学校ですので、私達の聖学院みどり幼稚園とやはり駒込にある聖学院幼稚園からは、受験でなく、推薦によって入学できます。大宮から山の手線の駒込までは距離がありますが、現在多くの児童が通っております。私立の小学校を希望する人の多くは塾に通い受験勉強をするようですが、その必要がなく、幼稚園児の年齢に相応しくのびのびと遊ぶことが出来ます。

3)入園料の返金について

2002年度の入園料は、3歳児が80,000円、4歳児が70,000円、そして5歳児が60,000円となっています。来年度の分は10月15日以降に配布する入園案内で正式に発表しますが、大体変わらないと思います。この費用を、入園の申し込みの際払い込んでいただきます。しかし、ご家庭によっては、来年の3月までにご主人の転勤などでキャンセルしなければならなくなる場合もあります。その様なやむを得ない場合には、入園料を返金いたします。ただし、3月31日までお申し出があった場合であり、一部必要経費は差し引かせていただきます。

(園長  鈴木健一)

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