学校法人聖学院 理事長メッセージ

         



【PROFILE】
●1947年横浜市生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業後、同大学院人文科学研究科倫理学倫理学専攻修士課程修了。同博士課程単位取得退学。博士(人文科学)。2008年聖学院大学人文学部教授に就任。2015年聖学院大学学長に就任。2017年学校法人聖学院理事長に就任。


【MESSAGE】
 2015年より聖学院大学長を務めてまいりましたが、阿久戸光晴前理事長の任期満了に伴い、2017年4月3日付けをもちまして学校法人聖学院理事長を拝命いたしました。大学長は引き続き兼務しつつ、幼稚園から大学院までの一貫教育体制を持つ日本有数のプロテスタント・ミッション・スクール、聖学院全体の発展のために力を尽くしていく所存です。
 キリスト教精神をバックボーンに貫き、「神を仰ぎ、人に仕う」のスクールモットーを掲げる聖学院は、1世紀を超えて教育というミッションを遂行し続けてきました。2002年には、変わらぬ教育の根本精神と理念に基づき、自己変革に邁進すべく、「聖学院教育憲章」を制定するとともに、たゆまぬ教育の刷新と充実を図ってまいりました。
 そして2016年には、聖学院各校の新しい教育の取り組みを支援していただくべく、ASF(オール聖学院フェローシップ)において各校の同窓会が協力して支える「聖学院サポーター募金」がスタートしました。これまで、多数の皆様からの尊いご厚志が続々と寄せられておりますことに、心より感謝申し上げます。

 グローバル化の潮流は勢いを増すなか、社会において、ますます価値観の多元化が進んでいます。その中で、一人の個として、その人らしい個性を発揮し、いかに主体的に行動することができるのか、どのように「人に仕う」ことで貢献が可能となるのかを、改めて捉えなおすことが迫られています。多様な人々と共に生きていくことが必須の社会の中で、能動的な共生力備えた”良き隣人”となることができる人を、いかにして育むのかということが、未来を志向する聖学院らしい人間教育の新たな目標として掲げられます。
 海外のみならず、国内、地域に暮らしていても、多国籍で多彩な人々が隣人となりうる時代に、重視される共生力とは、他者との対話力、共感力、実践力という三つの力の具体化であると考えます。そして、これらは単なる知識として学ぶべきものではなく、現実との関わりの中で、体験を通して深め、それぞれの身につけていかれるものでありましょう。  こうした新しい教育の取り組みは、各校各園の個性を加味しながら、年齢や発達段階に応じた展開が行われております。例えば、大学においては、学問的裏付けられた専門的な知識を身につけることがこれらの力に必須となります。聖学院に共通しているのは、各校各園が、それぞれ主体的で能動的な体験的学習を基軸にすえていること、常に外部にまなざしを向け、内向きにならずに他者や社会的状況に鋭敏な感覚を養いながら、取り組んでいることです。私たちは、今置かれている場をふまえつつ、グローバルな広がりへと心と眼を向け、国境を越えたあるべき世界をめざしながら、聖学院全体を一層、開かれた場にしていきたいと考えています。

 祈りによって、学びによって、さまざまな場において、人と人が「共にする」機会に恵まれた聖学院には、ある意味、とても家庭的な雰囲気を備えた、あたたかなコミュニティが築かれ、そこにつながる人の魅力が、大きな求心力を生み出しています。その宝を活かしながら、未来に貢献しうる主体的な”良き隣人”を育んでいくために、いっそうのお力添えをいただけますよう、心よりお願い申し上げます。